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バランス重視の新ハイレゾウォークマン「NW-ZX100」が日本デビュー、価格は6万7000円前後に写真で見る(2/2 ページ)

» 2015年09月08日 13時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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GPSなどの無線機器に使われる「Filled Via構造」

 本体は、アルミ切削ボディーにシャーシを一体化したモノコック構造。ただし、基板が小さくなるとグランドが安定しにくくなるため、シャーシの一部に「NW-ZX2」でも使用していた「バスプレート」と呼ばれるステンレス鋼板をシャーシに取り付けた。さらに銅メッキ、金メッキを施してグランドをより強化。グランド面積をかせいで安定させたことで、クリアな低音を実現したという。

アルミ切削ボディーにシャーシを一体化したモノコック構造

 プリント基板には低誘電率の材料を採用し、配線間容量を下げて信号の流れをスムーズにした。さらにプリント基板には「Filled Via構造」と呼ばれる新しい試みをプラスした。これは基板に部材を実装する際に開いてしまう小さな穴を銅メッキで埋めるというもの。もともとGPS機器などの無線機器の基板で採用されていた技術で、電源の安定化や配線インピーダンスの低減に効果があるという。「試しにウォークマンに採用してみたところ、低域を引き締め、伸びやかな高音を実現できた」(同社)。なお、この技術は同時発表の下位モデル「A20シリーズ」にも採用されている。

「Filled Via構造」の概要

左が通常の基板、右がFilled Viaの基板。違いは歴然

 メイン基板や金属部品を固定するビスには導電性を有するカスタム品“導通ビス”を採用した。はんだもオーディオ用途に向けて素材から見直した新しい高純度無鉛はんだを使用するなど、細部にまでこだわっている。「小さなビス1個では効果も薄いが、1セットに30個ほど使用しているため、全体でクオリティーアップが実現できた」(同社)

導通ビスやバスプレートなど

 「NW-ZX1」と同じOS-CON4個のほか、「NW-ZX2」で採用したフィルムコンデンサー、低抵抗ケーブル、圧膜銅箔プリント基板など、これまでの製品で培ってきた技術を惜しみなく投入した。クロックについても「NW-ZX2」同様に強化。44.1kHz系と48kHz系の2つを搭載しており、さまざまな音源に最適なクロックを供給する。

 気になる音質傾向についてソニーでは、「NW-ZX1に近い。エネルギッシュでスピード感、エッジ感は踏襲しつつ、NW-ZX1を超える音を目指した。またユーザーから要望の多かった低域強化のため、高剛性、低インピーダンスを実現したシャーシ構造を採用している」(同社)

 なお、「NW-ZX100」では、パッケージにケースが同梱(どうこん)されなくなった。その代わり、専用オプションとして本革ケース「CKL-NWZX100」(6500円前後)や液晶保護シート(1500円前後)、ハイレゾNCヘッドフォンなどを用意する。

別売オプションの本革ケース「CKL-NWZX100」(6500円前後)

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