パナソニックは9月30日、テクニクスブランドのCDステレオシステム「OTTAVA」(オッターヴァ)を発表した。CDドライブの丸いガラスカバーが特徴的なセンターユニットと、スリムなステレオスピーカーを組み合わせた洒落たコンパクトオーディオ。同時発表の密閉型ヘッドフォン「EAH-T700」とともに、テクニクスのユーザー層を広げるための新製品群となる。
幅360ミリ、高さ91ミリのコンパクトなボディーにCDドライブや2つのUSB入力、ネットワークオーディオ機能などを詰め込んだ多機能モデル。一方でフルデジタルアンプ「JENO Engine」をはじめ、ジッター対策とノイズ対策を徹底した「Digital Noise Isolation Architecture」、スピーカー負荷適応処理LAPCなど、上位機種の「R1シリーズ」に採用された技術を凝縮した。付属のスピーカーはバイアンプ駆動となる。
円形ガラスのCDドライブカバーは、上ではなく水平方向に動かす仕組み。あえて手動にしたのは、アナログレコードをジャケットから取り出す時のような、「オーディオのお作法」(Technicsブランドの統括ディレクター、小川理子氏)を演出することで、リスナーの気分を盛り上げるためだ。
スピーカーもかなりユニーク。本体の上下に8センチ径コーン型ウーファーを対向配置し、音を水平方向に拡散するディフューザーと、らせん形状の「スパイラルアコースティックチューブ」で中低域を拡散する仕組み。さらに指向性の高い高域については、1.5センチ径のドーム型ツィーター3基を3つの方向に向けて配置し、独自設計のホーンとあわせて幅広いリスニングポジションを実現した。これは「ユーザーがスピーカーに正対するのではなく、リスナーにテクニクスサウンドが寄り添う」(小川氏)という製品コンセプトによる。
スピーカーの内部構造と実際のカットモデル。形式は、2Way5ユニットのバスレフ型ということなるが、サイズは1本あたり110(幅)×277(高さ)×110(奥行き)ミリと非常にコンパクト。ツィーターは10万Hzまでの高域再生が可能なハイレゾ仕様だハイレゾ音源再生の方法は多彩だ。USB-A端子(USBメモリーなど)とDLNA準拠のネットワークオーディオ機能は最大192kHz/24bitまでのPCMと5.6MHzまでのDSD再生をサポート。またPC接続用のUSB-B端子(USB-DAC機能)なら最大192kHz/32bitまで対応できる。
このほか、Wi-FiやBluetoothを内蔵し、AppleのAirPlayもサポート。スマートフォンやタブレットからのワイヤレス再生も可能になっている。Bluetooth(A2DP接続時)のコーデックはSBCとAAC。専用アプリを使ってスマートフォンやタブレットから操作することも可能だ。
パナソニックでは、OTTAVAは2016年1月22日に発売する予定。価格は20万円(税別)。従来のテクニクス製品がHi-Fiオーディオファン層をターゲットにしているのに対し、今回は女性を含む音楽ファン層にも訴求する製品になるという。OTTAVAを「音の宝箱」と表した小川氏は、「音楽を身近に感じている人たちにオーディオも身近に感じてほしい。販売ルートも従来のオーディオ専門店や家電量販店に加え、10月からは新宿伊勢丹など、新しいタッチポイントを作っていく」と意気込みを語った。
発表会ではジャズシンガーのAKIKOさん(写真中央)も登壇し、同じプロミュージシャンでもある小川氏(右)と対談した。AKIKOさんは、OTTAVAの外観と音質について、「部屋のどこにいても良い音が聴ける。どんなインテリアにも合う」と話していた
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