パナソニックは1月6日、8Kフルスペック(7680×4320ピクセル、120fps)の映像伝送を1本で送信可能にする「コネクタ付ケーブル」を開発したと発表した。同社は、慶應義塾大学発ベンチャーのKAIフォトニクスと共同で開発。コネクタ付きの「メタルワイヤーとプラスチック光ファイバーによるハイブリッドケーブル」となる。1月6日から9日まで、米ネバダ州 ラスベガス市にて開催される「2016 International CES(CES 2016)」の同社ブースにて技術展示を行う。
従来8Kディスプレイに映像送信する場合、HDMIケーブル4本を用いて伝送し、さらに画像処理ソフトにより8K映像に組み合わせて表示していた。今回の開発によって、伝送スピードを100Gbps超に向上させ、8Kのフルスペック映像をケーブル1本で伝送できるようになった。
光ファイバーは光軸を完全に合わせることで高速通信が可能となるが、機器とケーブルコネクタ部が分離している場合、接続部分において光軸を正確に合わせることが難しく、接続不良が発生するなどの理由で挿抜可能なコネクタ付の映像伝送用ケーブルへの採用が見送られていた。パナソニックは、プラスチック光ファイバーのボールペン型接続技術(三菱鉛筆と慶應義塾大学小池教授が共同開発)をディスプレイ側に用いたコネクタ付きケーブルの開発をKAIフォトニクスと共同で行い、さらに独自の広帯域信号多値化伝送技術によって100Gbps超の高速伝送が実現したという。
同社は「今後、BtoB市場において、企業等での8K機器の採用が広がることを想定し、簡易な接続を実現する本コネクタケーブルの国際規格化を目指す」とコメントしている。
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