結果は、予想よりはるかに差が大きかった。数字を見たとき、思わず「失敗した?」と聞いてしまったほどだ。彼女によると、髪を早く乾かすコツは、スーパーソニックにアタッチメントを“取り付けない”こと。すると最も勢いのある風を得られるという。
“ノズル有り”のほうが風が集中して勢いを増すような気もするが、実は「Air Multiplier」(エアマルチプライアー)技術の仕組みを考えると納得できる。スーパーソニックは、柄の部分から取り込んだ空気を筒状の本体に送り込み、狭いすき間から勢いよく放出。すると筒の後方や前方の吹き出し口周囲にある空気を巻き込み(=誘引)、風量を約3倍に増す仕組みだ。アタッチメントがあると、前方の誘引が限定されるのではないだろうか。
自分でも試してみたが、確かにアタッチメントなしの方が強い風を感じる。まるで円筒形の空気の固まりがぶつかってくるような感触で、無理なく地肌や奥の髪にまで届いている。「それは髪の密度が低いからでは?」という指摘もあるかもしれないので、スーパーソニックの風の強さを視角化してみよう。
三脚に3つに割いたビニール紐を取り付け、3mの距離からドライヤーで狙う。するとパナソニックのドライヤーではビニール紐が「少し動いたかな?」という程度だったのに対し、スーパーソニックでは大きくはためき続けた。
ほかのドライヤーでは風が届く気配もなかったので、決してパナソニックのドライヤーが非力というわけではないだろう。むしろスーパーソニックのほうが異常なのだ(ほめ言葉)。
この風量は髪を乾かすだけではなく、セットの際にも大きな武器になりそうだ。普段はブラシ付きのドライヤー(前述の山善製品、約2000円で購入)を使い、くせ毛を伸ばしながらボリュームを出すという高等テクニックを駆使しているのだが、暑がりで汗かきの上に高血圧気味のため、夏場は暑くて仕方がない。髪が乾くより前に汗が吹き出し、髪が根本から寝てしまう。すると髪がぺったりとして、まるで薄いようにみえてしまうのだ(あくまで見えるだけです)。それが嫌で、夏場は洗面所に扇風機を置き、ドライヤーと併用している。
ところがスーパーソニックを使うと、汗をかかずに素早く髪を乾かすことができる。熱さを感じないわけではないが、熱すぎず風量も大きいため、汗が出るところまではいかない。ブラシを併用すれば乾かしながら髪の根本のクセを伸ばすことも可能で、今まで以上にふんわりとボリューム感を出すことに成功した。新たな道具を得て、ヘアメイク技術に磨きをかけてしまったようだ。
スーパーソニックの価格は4万5000円(税別)。ヘアドライヤーとしては高額ということもあり、ダイソンでは美容師などのプロフェッショナルや美容に対して意識の高い女性層を中心に訴求していく方針だ。しかし、実は男性層にも大きなメリットがあるスーパーソニック。自分用に購入するには高すぎるという人も、例えば彼女や奥さんにプレゼントして自分も恩恵にあずかるという作戦はいかがだろう。きっと喜んでもらえる。
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