レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード「まだ生きてるか?」Mobile&Movie 第105回

» 2004年03月19日 20時35分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

作品名レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード(ONCE UPON A TIME IN MEXICO)
監督ロバート・ロドリゲス
制作年・製作国2003年アメリカ作品

 たった一人で、悪の巣窟だった町を滅ぼしたメキシコの伝説の男、エル・マリアッチ。その首には懸賞金が賭けられ、今では世間から身を隠して暮らしていました。

 愛のために戦ったはずなのに、マリアッチの元には何も残っていません。時折、ギターで奏でるメロディで寂しさを紛らす毎日。しかし、マリアッチの命を狙うものは後を絶たず、今日もマリアッチを探して、銃弾で武装した男たちがやって来ました。静かだった街に響き渡るマシンガンの爆音。

 マリアッチを捉えようと、手段を選ばす追いかけてくる男たちを撃退した後に、タイミングを見計らったように一人の男がやって来ました。CIAのエージェントだと名乗るサンズは、マリアッチの強さを確かめるために荒くれ者と戦わせ、自分は高見の見物をしていたのです。

 たった一人で何十人も仕留めたマリアッチの腕を認め、サンズはCIAへの協力を要請します。そこで知らされたのは、メキシコ大統領のクーデター計画。軍部が指揮を取り大統領を抹殺し、政権を乗っとろうとしているというのです。そして、その軍のリーダーは、マリアッチの恋人カロリーナを奪ったマルケス。サンズは、マルケスへの復讐とクーデター防止の一石二鳥で、マリアッチに軍部の制圧を依頼してきたのです。さらに、軍部のバックには、麻薬王バリーリョがおり、資金提供がおこなわれているという。マリアッチは、メキシコの平和のため、サンズに協力することにします。

「話がまとまったら、後で連絡する」

 サンズはマリアッチに携帯電話を渡して、去っていきました。その後、またしても大勢の男から砲撃を受け、マリアッチは一人で立ち向かいます。どうやら、バリーリョの一味のようで、さすがのマリアッチでも手を焼く悪漢ばかり。絶体絶命のピンチをしのいだところで、サンズから受け取った携帯電話が鳴ります。

「まだ生きてるか?」

「ああ」

 クールに答えるマリアッチ。何か企んでいる様子のサンズに不信感を抱きます。

「バリーリョの連中はやさしくないだろ? だけど君は合格だ」

 サンズはバリーリョ側の人間をおびきよせ、わざとマリアッチと戦わせたのでした。敵の手強さを知ったマリアッチは、昔の仲間のもとを訪ねます。彼らは普段の姿はミュージシャンですが、いざ戦いとなるとギターケースに仕込んだ武器で迎撃するのです。

 信用しきれないサンズ以外に、命を預けられる仲間と行動を共にすることになったマリアッチは、独自のルートで決戦に備えて武器を調達します。そして、クーデターが予定されているメキシコの祝日「死者の日」を迎えました。

 サンズの手筈で、大統領主催のパーティのバンドの一員として潜入したマリアッチたち。サンズからの携帯電話の指示に従って大統領の警護をしていた時、マリアッチは宿敵マルケスを発見します。

 張り詰めた空気の中、マリアッチの熱い戦いの火蓋が切って落とされます。マリアッチは、マルケスに復讐を果たすことができるのか。そして、大統領の命を守り、クーデターを防げるのか。哀しげなギターの調べに乗せ、銃撃戦に肉弾戦、アクションの連続で、灼熱のメキシコの砂煙を感じさせる作品です。

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