新年度を迎えて、携帯を買い換えた人も多いだろう。当然、各社が大々的にPRしている第3世代携帯電話(3G携帯)が選択肢に入っているはずだ。
ゲームや高速な通信速度など、いろいろな“メリット”が挙げられているが、普通のユーザーにとって3G携帯に買い換える意味はどこにあるのだろうか。
ドコモ、KDDI、ボーダフォン共に、3G携帯のメリットとして確実にいえるのは、メールの高機能化と安価なパケット代だ。
メールで強化されたポイントの1つは、やりとりできるファイルサイズが大きくなったこと。その結果、静止画や動画を簡単にやりとりできるようになった。特に、これまでメールにファイルを添付できなかったドコモ端末で効果が大きい。256文字だったメールの文字数も、大幅に拡大している。
キャリア | 送信可能ファイル容量 | 受信可能ファイル容量 | 受信可能文字数 |
---|---|---|---|
ドコモ・FOMA | 100Kバイト | 約10Kバイト | 5000文字 |
KDDI・CDMA 1X | 100Kバイト | 100Kバイト | 5000文字 |
KDDI・1X WIN | 150Kバイト | 150Kバイト | 5000文字 |
ボーダフォン・VGS | 200Kバイト | 200Kバイト | 1万文字 |
表で並べて見ると分かるように、ボーダフォンのVGSが数字上は頭1つ抜け出している。メールの利用可能文字数は5000文字あれば十分だが、送受信ファイル容量は写真付きメールのクオリティにも関わるため重要だ。
いったい何Kバイト添付できれば、どのくらいのサイズの静止画を送れるのか。代表的な例で見てみよう。
画像の大きさ | カメラ画素数 | 容量 |
---|---|---|
160×120・QQVGA | 10万画素 | 8Kバイト |
320×240・QVGA | 10万画素 | 27Kバイト |
640×480・VGA | 31万画素 | 55Kバイト |
1280×960・SXGA | 130万画素 | 150Kバイト |
1600×1200・UXGA | 200万画素 | 262Kバイト |
あるサイズの画像を撮るのに、どのくらいのカメラ画素数が必要なのか、また撮影した写真の容量はどのくらいなのかの目安を表にした。容量はカシオ製の「A5403CA」で確認した。シャープ製端末のように画質を選べる機種では、画質によって容量が変わるので注意したい。
こう見ると、FOMAやauのCDMA 1Xでは送受信できる限界は31万画素相当のVGAサイズなのが分かる。メガピクセルカメラで撮影した写真を送るには、1X WINかVGSでないといけない(もちろん画質を落として100Kバイト以下にできる機種もある)。
3G携帯以前の機種──例えばボーダフォンの2.5世代端末などは送受信が12Kバイトだから、そのままではQVGAの画像も送れない。3Gならではのメリットが分かると思う。
ただし、FOMAの受信が10Kバイトなのには注意が必要だ(4月6日の記事参照)。メガピクセルどころか、VGA画像のやりとりも難しい。(3Gでない)iモードからiショットで画像を送った場合、WebからのダウンロードになるためCIFサイズ(352×288)の画像を受け取ることはできるものの、3Gのメリットが生かし切れていない部分だ。
そのほかのメール機能の違いもチェックしてみよう。
ドコモのiモードでは、メールの宛先は1件だけ。擬似的に複数のTOを設定できたが、内部的には別のメールとして送信されていた。FOMAでは複数のTOのほか、CC/BCCも利用できるようになった。auやボーダフォンは3Gでなくても利用できた。
ドコモのiモードメールは機能は貧弱だが、送信/受信のスピードが非常に速いという利点がある。ドコモのメールが専用方式なのに対して、au端末はIMAP4に準拠したPCに近いやり方でメールを送受信しているからだ。
例えばPCからドコモの505iとau端末とボーダフォン端末に同時にメールを送信してみよう。ネットワークの状態にもよるが、ドコモ、ボーダフォン、auの順にメールが届くはずだ。auでは改善が進んでいるが、基本的には3G携帯でも、この傾向は変わらない。
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