NTTドコモは5月11日から東京ビッグサイトで開催中の「ビジネスシヨウ TOKYO2004」の展示ブースで、地上デジタル放送受信を想定したコンセプトモデル「OnQ」(On Cue、オンキュー)を展示している。
液晶は2.4インチQVGA液晶。ヒンジ部にはヘッドフォン端子を備え、外ではヘッドフォンで音声を聞くイメージ。ディスプレイは左右に倒すことができ、横長の画面でテレビを視聴できる。十字キーに当たる部分は「iPodのようなセンサー」(説明員)になっており、指でなぞって操作が行える“OnQ”とは「きっかけを与える」の意。「テレビと携帯の2つを無意識につなぎ合わせる」というコンセプトだという。
単に外出先でテレビを見るだけでなく、通信と連携してタイムシフト視聴を重視したのが特徴だ。クレードルは、ステレオスピーカーと充電器、HDDレコーダーを兼ねており、テレビ番組はまずクレードルに録画、その後本体に転送する。
長時間録画した番組を頭から見るのではなく、「チャプターデータ」と呼ばれる番組表・番組構成表を通信で取得し、必要な部分だけを視聴できる。この“つまみ食い”が、モバイル環境でのテレビ視聴には必要だという主張だ。
また、視聴権利のキーだけをiモードなどを使って購入し、有料番組を試聴するというビジネスモデルも想定しているという。
番組視聴中に、気に入ったシーンに印を付ける機能も備えている。「5段階で“へぇマーク”のようなものを付けられる」(説明員)。
このマークは「テレマーク」と呼ばれ、後から気に入ったシーンだけをチェックするほか、友人にメールで送信することも可能。「静止画をキャプチャーして送信するのではなく、時間コード(テレマーク)だけをやり取りする」ことで、著作権保護と通信料の削減を実現する。
左の写真がテレマークデータを付けたところ。時間軸に沿って、5段階のマークが付けられている。右はチャプターデータの例。画面左のiモードで取得したチャプターデータから見たいシーンを選択すると、録画してある番組の中から該当するシーンが右側に再生されるテレマークデータやチャプターデータは、現在のところ独自形式のXMLを用いている。
端末は、携帯電話としてはFOMAを想定。展示機は現在通信機能を備えていない。製品化は未定だが、「現状CPUが若干苦しいが、(製品化に当たって)技術的にどうしても難しい部分はない」(説明員)。
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