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» 2004年07月01日 12時55分 公開

「将棋アプリ」にひとこと言いたい (1/2)

「世の中に、携帯の将棋アプリがあふれている。だが、記者が思うようなアプリには、なかなかめぐりあえない」――。これは、ある将棋オタクのぼやきである。

[新崎幸夫,ITmedia]

 世の中に、携帯の将棋アプリがあふれている。だが、記者が思うようなアプリには、なかなかめぐりあえない。要は「より強くて、より速いアプリ」が欲しいのだが、両方を高いレベルで満たすアプリが少ないのだ。

 中学校のとき将棋にハマり、高校では将棋大会に出場して3位入賞するなど“将棋オタク”ぶりを発揮していた記者にとって、携帯アプリはまだまだ「発展途上」。現在の将棋アプリには何が足りないのか考えてみたい。

通信アプリの方が強くなるが……

 まず予備知識として触れておくと、携帯アプリは「最強の将棋ソフト」になる可能性がある。

 一般に、将棋ソフトの強さと密接な関わりを持つのがコンピュータの性能だ。将棋ソフト側は、1手ごとに“駒得”や “玉の危険度”“駒の利き”といった要因を計算して最善の応手を弾き出す。

 将棋はチェスと違って一度取った駒も使えるから、その計算量は膨大になる。人間だと、「こんな手は問題外」と候補を絞ることも可能だが、コンピュータはなかなかそこまでいかず、比較的多くの可能性を検討する。必然的に、相応のマシン性能が必要になる。

 ところが、“携帯アプリ”はサーバと通信を行える。そのため、複雑な計算はサーバにまかせてしまうことが可能になる。アプリ側は棋譜をサーバにインプットして、アウトプットされた応手を受け取るだけでいい。これが「携帯アプリが最強になれる」理由だ。

 ところが、コトはそう単純ではない。例えばiモード版の「森田将棋」は通信を行うタイプのアプリだが、“名人”級に設定しても将棋ソフト史上最高――というほどには強くない。理由は、「ゲームバランスを考えると、それほどサーバ側で思考時間もとれない」(ハドソン)ためだ。

photo iモード版森田将棋(C)HUDSON SOFT /(C)Yuki Enterprise,inc. / (C)森田和郎

 そもそも、通信を行うということはそれだけ余計な時間がかかるということでもある。ユーザーは一手指すごとに「送信 〜 数秒待つ 〜 サーバの計算処理開始 〜 数秒待つ 〜 計算結果を受信」といった手続きを待たなければならない。多少、動作がじれったくなるのは仕方ない。この上サーバの計算時間も長くとっていたら、ユーザビリティが落ちるという判断だ。もちろん、そのように時間を限ると、いかに高性能のサーバでも計算量に限界がある。

 通信アプリには、もう1つデメリットがある。移動する場所によっては、プレイできないということだ。例えば電車に乗りながら対局していると、走行中に通信が不安定になり、次の手を指してくれなかったりする。「移動中のひまつぶしツール」である携帯アプリにとって、これは案外重要な問題だ。

ローカルでは、処理時間は短いが……

 それでは、ローカルで処理するアプリの実力はどうか。先ほど紹介したiモード版森田将棋は、ローカルで対戦するモードも用意している。この場合、ユーザーが一手指すごとにサクサク指してくれる。もちろん「圏外」でも楽しめる。

 しかし残念ながら、こちらは棋力がかなり劣る。

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