作品名 | 東京湾景 |
演出 | 村上正典・平井秀樹 |
制作年・製作国 | 2004年フジテレビ系列ドラマ |
「Mobile&Movie」番外編として今回ご紹介するのは、2004年夏の月9「東京湾景」。吉田修一氏のベストセラー小説をドラマ化し、仲間由紀恵さんがラブストーリーのヒロインを務めます。仲間さんといえばauのイメージキャラクターとしてお馴染み(8月26日の記事参照)。もちろん登場する携帯電話はau製品です。以前、映画「g@me」(連載記事参照)の中で、仲間さんはのNISHIKIGOIを使っていましたが、「東京湾景」ではANNINにチェンジ。このINFOBARから運命の恋が始まるのです。
台場の出版社で働く美香は、仕事も恋も充実している25歳のOL。恋人の守とは結婚話も出ているのですが、美香は父親の正雄にはなかなか言い出せずにいました。なぜなら、美香は在日韓国人で、父親は韓国人同士の結婚しか認めないと幼い頃から聞かさせていたからです。
しかし、美香が在日韓国人であることを知った上で愛してくれている守のために、思い切って打ち明けることにします。愛があれば国籍を超えて、親を説得できる、理解してくれると信じて。
正雄の反応は冷たいものでした。美香と守の結婚は許さない、韓国人が相手でなければ絶対に駄目だときつく言われてしまいます。母を亡くしてから、正雄はより頑固になってしまったよう。二人の愛があれば、どんな困難にも耐えられると信じていたはずなのに、美香と守の関係は少しずつ変化していきます。
ある時美香は、妹の紀香から出会い系サイトのアドレスをケータイメールでもらいます。「出会い系なんて」と、その時は無視していましたが、守と会えない寂しさの中、ふと出会い系サイトにアクセスしてしまいます。相手に望む条件は“特になし”でボタンを押し項目を確定させた美香。ただし、“相手に望む住んでいる地域”を“東京湾景”とし、さらに“日本男児”と明記して送信しました。すると、すぐに一件だけ該当者確認のメールが届きました。美香は、思わずその見知らぬ相手に
「本当の私を見つけてくれますか?」
とメールします。 もちろん名前は偽名で“涼子”と記して。
「俺で良ければ」
亮介という男から来たメールの軽い言葉に、美香は苛立ちを覚えて返信します。
「どうも、ありがとう」
メールを返してくれたことに感謝しつつ
「俺で良ければなんて安易な返事しないで下さい」
という追伸を加えます。美香は「出会い系サイトのノリなんてこれで終わり」と思っていましたが
「だったら試してみる? 安易に返事したわけじゃないよ」
というメールがさらに亮介から届き
「土曜日の夕方、羽田空港の出発ロビーにいるので、見つけられるなら、見つけてみて下さい」
と思わず返信してしまいます。
守との恋がうまくいかない苛立ちのせいなのか、単なる好奇心なのか。美香と亮介は、羽田空港で待ち合わせをします。一流会社のOLと倉庫作業員。そして、在日韓国人と日本人。2人の前にはいくつのも障害が立ちはだかります。出会い系サイトのメールのやり取りから始まった恋の行方は、どうなるのでしょう。
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