F900iT、ビュースタイル+タッチパネルは魅力的?(3/3 ページ)

» 2004年07月16日 01時49分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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デジカメスタイルを採用し、記録時間も改善

 カメラユニットはF900iと同様、128万画素でパンフォーカスである点も変わっていない。大きく変わったのはカメラユニットの位置で、サブディスプレイ側のヒンジ寄りから底面へ移動し、デジカメスタイルでの撮影も可能になった。

Photo トレンドにもなりつつあるデジカメスタイルもサポート。左側面にminiSDスロットを備える。

 F900iでは撮影時にわざわざサブメニューを呼び出さず、4方向キーで様々な設定を変更できる点が特徴だった。この点は、通話スタイルではもちろん継承されており、デジカメスタイルではタッチパネル機能がカバーする。ディスプレイ上に並んだ設定項目をクリックすることで、設定変更できるからだ。これはタッチパネルを非常にうまく使った機能である。

 F900iでは大きな不満となっていた保存時間が、大幅に高速化されているのも隠れた改善点。保存先をminiSDカードとし、SXGA(1280×960ドット)/ファインでの撮影時でも、保存の確認から保存の終了まで6〜7秒となった。概ねF900iの半分程度だ。

Photo (左)ビュースタイルでも、設定状態を示すアイコンをクリックするだけで設定変更ができる(右)書込み時間も高速化された。進捗状況はバーで表示される

 パンフォーカスゆえにシャッター操作から実際の撮影までのタイムラグも小さく、記録時間の改善で保存先をminiSDカードにしても軽快に利用できる印象だ。

 画質はF900iからはほとんど変わらず、パンフォーカスゆえにSXGAでは少々甘い描画になるが、発色はナチュラル。VGAではピントの甘さもほとんど気にならない。

 (左)SXGAではさすがにディテールの甘さは気になるが、発色も含めバランスは良好。(右)VGAは非常に高バランスで、屋内でもノイズが少なめの破綻のない画質だ

 しかしF900iからまったく改善されていない部分も多い。miniSDカードへ保存した画像はサムネイル表示ができず、SXGAで撮影した画像の再生には数秒待たされる。本体メモリ〜miniSD間のコピーや移動は1件ずつ。複数指定やまとめてのコピー、移動機能があれば、本体メモリにどんどん撮影して、一杯になったらminiSDカードへ、という使い方もできるのだが、残念な点だ。

 また底面に移動したカメラユニットの位置も気になる。デジカメスタイルでは特に不満は感じないのだが、通話スタイルで縦長フレームの撮影を行おうとすると、意識しないと指がレンズ前にかかったり、フレーム内に映りこんでしまう。もう少しヒンジ寄りにあればと思うが、今度はデジカメスタイルでの指との干渉もあるのだろう。

Photo 「とりあえずレンズに指が掛からないように」という握り方では、簡単に指が映りこむ。かなり下側で持つ癖をつける必要がある

 ビュースタイルの都合上、カメラユニットの位置変更はやむをえないは思うが、通話スタイルで撮影することが多いユーザーは注意が必要だ。

ビュースタイル+タッチパネルの積極活用に期待

 F900iTの大きなトピックである、タッチパネルとビュースタイル。タッチパネルもビュースタイルもメリットは感じるが、ハードウェアを生かしきっていないというのが正直な感想だ。「さらにPDAライクな使い方を」と過剰な期待を抱いてしまった面もあるが、ソフトウェア機能ではもう少し頑張ってほしかった。

 それでもBluetoothに加え、指紋センサー、Symbian OS採用と見どころの多い端末で、現在900iシリーズで最も“とんがった端末”であることに間違いはない。Bluetoothヘッドセットを組み合わせればテレビ電話も利用しやすいし、PCやPDAと組み合わせてフルワイヤレスインターネット接続もできる。FOMAの“3G”な部分を積極活用したい人なら、狙ってみても悪くない。

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