聞くだけで彼女ができる?「奇跡の着うた」の謎に迫る(2/2 ページ)

» 2004年09月02日 18時01分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 同氏はまた、音源にはサブリミナル(閾下知覚)効果も含まれていると話す。

 人間の脳は、ある一定レベル以下の知覚情報は「なかった」ものとみなし、意識レベルに上らせないようにする。それでも、その情報が脳に影響を与えることがある。

 映画で、30コマのうち6コマほどコーラの映像を割り込ませると、コーラの売上が伸びた……という話が有名だ。この場合、サブリミナルなコーラの映像が、無意識に「コーラを飲みたい」と思わせたのだといわれている。

 奇跡の着うたの場合、たとえば「やせる」ための着うたに「意志を貫くよう促す、人間の声であり声でないようなもの」(同)が挿入されている。これにより、ダイエットの決心を鈍らせないよう働きかけるのだという。

 プラシーボ効果も利用する。プラシーボ効果とは、簡単に言ってしまえば「思い込み」。例えば、「これは飛び切り高級な薬ですよ」と言われてただのお菓子(偽薬)を飲まされた場合、患者が「これで治る」と信じて精神状態が安定し、肉体にも影響して病状が回復することがある、というものだ。

 「“代替医療”とかいって、病原菌をやっつけるイメージを膨らませるイメージ療法があるが、これも同じこと」(同)

 脳波を「コントロール」し、サブリミナル効果やプラシーボ効果で精神状態を明確に“ある方向”に持っていく。それが、身体にも物理的に明確な影響をもたらす……という一連の効果があり得るとして、話を進めよう。その場合には、なんと人を巨乳にすることもできるという。

 「女性の、胸の筋肉に働きかける。そうすると、胸が上にひっぱられて、バストアップしたように見えるわけだ」

 どうでもいいことだが、男性がこの着うたを聞いても巨乳にはならない。男女の脳には、たとえば脳梁の太さなどで違いがあることが知られている。着うたにも「男性用」と「女性用」があるのだ。

恋人ができるメカニズムは?

 記憶力がよくなったり、巨乳になったりするメカニズムは分かった。しかし、聞くだけで恋人ができる音源は、さすがに無理ではないのか。

 苫米地氏は、女性向け「彼氏ができる」着うたを例にとって、2つの効果を狙っていると解説する。1つは、積極性を高めること。もう1つは、相手に自分を「魅力がありながらそれを抑えている」と認識させることだという。

 前者は、比較的分かりやすい。苫米地氏は「動物行動学的に見ても、メスがオスにボディタッチする(ここでは、スキンシップと言い換えてもいいだろう)ことが生殖行為のきっかけになる」と解説する。動物の場合は特に、発情期があるので「自分は準備が整っている」ことを相手に知らせる必要がある。人間にしても、アプローチを起こさないことには恋愛は始まらないだろう。

 後者はどうか。苫米地氏は、いわゆる“いい女”の特徴は「淑女でありながら――同時に性的魅力をかもしだしていること」だと解説する。

 極度に「お堅い」イメージは逆効果。かといって、あまりに遊び好きなイメージも問題だ。これをどう両立させるかが問題だと同氏。

 彼氏ができる着うたでは、男性が聞くと目の前の女性が「ああ、淑女でありながら性的魅力が抜群だ」と感じられるよう誘導する音源が入っている。つまり、女性側は自分で聞きつつ、スキを見て意中の男性に「着うたを聞かせる」必要があるわけだ。用意周到な計画が、求められるといえそうだ。

推奨環境は?

 果たしてこの着うた、効果のほどはいかがなものか。「脳波に直接影響があるわけだから、かなり効果はあると考えられる。実際、私もヘッドフォンでこれを1時間、2時間聞いていたら、ぶったおれた」(苫米地氏)。

 もっとも、いくつか気をつけなければならないこともある。まず、着信して「着うた」がなり始めても、すぐに電話に出ないこと。

 「携帯の着うたに設定すれば、毎日継続して聞くことができる。そこがポイントだ。できれば10秒程度聞いてから応答するのが望ましい」(同氏)

 もうひとつは、イヤホンで聞くべきだということ。先に説明したとおり、脳波に影響を与えるには左右の耳から聞こえる“差”を検出する必要がある。「推奨環境は、イヤホンを通してステレオで聞くこと」。

 奇跡の着うたは、サービススタート以来1週間で1万ダウンロードを記録した。“売れ筋”は、やはりモテる音源のようす。苫米地氏は、今後ニーズに応じて「目の疲れがとれる音源」や「髪の毛が生える音源」も開発を検討すると話した。

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