Bluetooth携帯を自宅電話の子機に〜KTFの「DU:」

» 2004年09月13日 18時20分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 Bluetooth対応携帯電話が国内でも盛り上がってきたが、お隣韓国ではBluetooth携帯を自宅内のコードレスホンとして使うサービスが始まっている。

携帯を自宅電話の子機に〜Bluetoothで接続

 「DU:」(デュー)は、Korea Telecom(KT)の固定回線(固定電話、ADSL)とKTFのケータイを組み合わせたサービスだ。Bluetooth内蔵のCDMA端末「DU:ホン」と、固定回線に接続する「Bluetoothアクセスポイント」を組み合わせて利用する。

DU:の語源は「Duo」「Dual」から来ている。DU:ホンは、Samsung「SPH-E3700」(左)のほか、この秋発売予定のLG「KF1000」(右)製も加わる。KF1000は最新機種で、1.3メガピクセルカメラやMP3再生、VODなどに対応したハイエンド端末。いずれも韓国内向けCDMA端末
Bluetoothアクセスポイントは100ドル程度で購入できる。背面には固定電話回線やADSL回線接続用のモジュラージャックが並ぶ

 自宅のKTの固定電話回線にBluetoothアクセスポイントを接続すれば、自宅内でDU:ホンを固定電話の子機として、コードレスホンのように使用できる。

 また自宅内に設置したBluetoothアクセスポイントとDU:ホンをBluetoothでペアリングしておけば、複数のDU:ホン同士をトランシーバーのように使える。また2台のDU:ホン間で内蔵の対戦ゲームを楽しむこともできる。この場合、通話料金は発生しない。

 子機として使うDU:ホンから電話を発信すると、Bluetoothアクセスポイント経由で固定回線を使って電話発信する。この場合、Bluetoothアクセスポイントから外部への固定回線の料金だけがかかる仕組みだ。

 そのため発信者の電話番号としては、発信側のDU:ホンのケータイの電話番号ではなく、Bluetoothアクセスポイント=固定電話の電話番号が通知される。

 さらにBluetoothアクセスポイントをKTのADSL網に接続しておけば、DU:ホンから直接ネットにアクセスもできる。この場合も料金はADSLへの接続料金だけで済む。

 このようにBluetooth内蔵の携帯を、外ではケータイ、自宅などではコードレス子機として利用できるというのはとても便利。自宅内で発信する場合、携帯より安価な固定電話回線を利用できるからだ。もちろんケータイに直接かかってきた電話も受けることができる。またケータイ内部の電話帳を自宅でもそのまま利用できるというメリットもある。

 Bluetoothは使わないが、こうした動きはオフィスに向けたモバイル・セントレックスとして、国内でも注目を浴びつつある。

左のケータイはBluetoothアクセスポイントと接続中。このDU:ホンからほかのケータイ、018-777-XXXXに電話をかけると、発信はBluetoothアクセスポイント(固定回線)からとなる。右のケータイは左のDU:ホンから電話がかかってきているが、画面の発信者番号は、かけてきている右のケータイの番号ではなく、Bluetoothアクセスポイントの固定電話の番号(051+741-YYYY、釜山市内の固定電話の番号)が表示されている
同時に展示されていたLG製のBluetoothハンズフリー装置。自宅ではキッチンやリビングに置いておき、Bluetoothアクセスポイント経由で電話の発着信が可能。また車に乗るときは持ち出してBluetoothケータイのハンズフリー通話用に利用できる

携帯+固定サービスで満足度アップ狙う

 しかし携帯キャリアのビジネスモデルとして考えると、疑問も残る。DU:サービスを利用すると、今まで自宅でも携帯で通話していたユーザーが、固定回線を使ってしまうことになるからだ。ユーザーには便利でも、通信事業者としては収益の減少にもなりかねない。KTFはなぜこのようなサービスを導入したのだろう?

 その背景には、2004年1月に始まった携帯のナンバーポータビリティー(MNP)導入がある(7月13日の記事参照)。現在、韓国の通信各事業者のシェアは、おおまかに1位のSKテレコムが50%、以下KTFが30%、LGテレコムが20%となっている。MNPの導入は各社の公平な競争や、シェアの均等化を目指したものだが、現実はSKテレコムの1強が続いている。

 このためKTFは固定回線のKTと一体化した便利なサービスを導入し、「顧客の流出防止と他事業者からの乗り換えを図りたい」(KTF説明員)という狙いがある。KTグループ全体としての収益アップにつなげたい考えだ。

 なおLGブースでもBluetooth搭載の「KF1000」が展示されていたが、LGの説明員によると「来年中にはBluetooth搭載端末は半数以上に増やしたい」としており、今後はDU:ホンとして使える端末の種類が増える予定だ。

 自宅以外でも、オフィスにBluetoothアクセスポイントを設置すれば、自分の携帯をそのままコードレスホンにしたり、同じ部屋内であれば席が離れた相手もトランシーバーのように直接呼び出したりできる。DU:ホンの活用場所は、自宅以外にも今後広がっていくことも予想される。

 既存のインフラであるKTの固定回線を、Bluetoothという技術を利用してケータイと組み合わせたDU:ホン。通信事業者と固定回線事業者に今後の新たなビジネスモデルとなるかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月08日 更新
  1. NHK受信料パトカー・消防車から徴収問題、猛反発を受け「検討を進めていく」と会長 (2026年08月07日)
  2. ドコモが念願の増収増益に好転 「ドコモMAX」好調も後押し、今後は“ロイヤルユーザー”を重視 (2026年08月06日)
  3. まだ「つながりにくい」声ある“ドコモ通信品質問題”の現在地 前田社長が明かす「道半ば」の詳細解説 (2026年08月06日)
  4. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  5. 楽天モバイルのローミングは「予定通り9月末に終了」 ただし「ルーラル限定で継続」の可能性も (2026年08月07日)
  6. 「NHK受信料の値上げは検討していない」――会長が明言 スクランブル化を求める声絶えず (2026年08月07日)
  7. KDDIが値上げしても解約率が低下した理由 au、UQ mobile、povoを循環させ「脱・販促費競争」へ (2026年08月07日)
  8. 元グループ会社が「ドコモの銀行」になった不満を吸収? SBI新生銀行が「SBIの銀行」として最大5.2万円のキャッシュバックキャンペーンを開催 (2026年08月05日)
  9. 東海道・山陽・九州新幹線の「EXサービス」に複数のサービス改訂 「ご利用票」のスマホ表示などを9月から順次開始 (2026年08月06日)
  10. スマホの「エアコン冷却」がダメなワケ 猛暑日にやりがちな“水没”の危険性と正しい冷やし方 (2026年08月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー