コインパーキング「タイムズ」を運営するパーク24は10月1日から、ドコモのiモードFeliCaを使って駐車料金を支払える駐車場をオープンする。
iモードFeliCa内蔵携帯を使い、電子マネーEdyを料金支払いに利用できる。カード型のEdyも利用可能。同社は、携帯電話による料金支払いを一部駐車場で実験的に行っていたが、本格導入は今回が初めてとなる。
「非接触ICによる支払いは可動部分がないため、機器に故障が起こらないのが最大のメリット」と同社情報システム室の岩渕泰治課長は話す。
併せて、FOMAのテレビ電話機能を使った駐車場監視システムも設置する。入庫時に受け取る駐車券にはQRコードが記載されており、これを携帯で読み取ってサイトにアクセスし、選択したカメラにテレビ電話をかけることで、駐車場の模様をリアルタイムで閲覧できる。混雑状況の確認や、自車の防犯に役立てたい考えだ。
また駐車場内には、iモードFeliCaを利用できる日本コカ・コーラの自動販売機「Cmode」も設置した。
パーク24は、運営する駐車場約5300カ所すべてを2005年10月までにオンラインで結び、満車・空車情報の配信やポイントカードシステムの提供を行っていく計画。ITを活用して、駐車場ビジネスの差別化を図る。
ただし、FeliCaなどを使った電子マネーによる決済手段の全面的導入には慎重だ。キャッシュレスの決済を導入することで、現金回収のコストが省けるなどのメリットもあるが、クレジットカード決済を導入した駐車場でも、利用は数パーセントに留まっており、「具体的なコストダウン効果は顕在化していない」(同社経営企画室長の佐々木賢一氏)からだ。
今回のiモードFeliCa対応駐車場も「あくまで実験段階でしかない」(佐々木氏)状況。iモードFeliCaを使った決済システムの導入について、具体的な計画は明かされなかった。
Edyのほかにも、民間向けのETCシステム、DSRCを使った決済の試験を行っているほか、JR東日本のSuicaにも関心を示す。Edyも「どれだけ使われるか、何がスタンダードになるのか見ていく」(岩渕氏)段階にある。
同社は、土地を借り受けたり、業務委託を受けて駐車場を運営するモデルを中心としており、年間数パーセントの駐車場は撤去されるなど動きが激しい。今回の駐車場のIT設備投資額は約700万円としており、投資に対する効果を計っているのが現状だ。
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