放送エリアはどのくらいか?(1セグ&モバイル放送)1セグ放送&モバイル放送・徹底比較(最終回)(2/2 ページ)

» 2004年10月26日 19時22分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
前のページへ 1|2       

あくまで「補完放送」である1セグ放送

 1セグ放送はというと、モバイル放送でいうギャップフィラーにあたるような地上系インフラはない。電波塔からの、UHF帯(470MHz〜770MHz)を利用した放送波に頼ることになるが、これでエリアは十分なのだろうか。

 これについては、日本テレビ放送網のメディア戦略局メディア戦略部 佐野徹氏が2003年の実験を元に、面白いコメントをしている。

 「例えば(JR)新宿駅のホーム。全部受けられました。プラットフォームを結ぶ地下通路。階段など空が見えている場所なら受かる(=電波が受信できる)。渋谷ハチ公前のカラオケボックス。OKだった」(10月22日の記事参照)

 「1セグは13セグメントのうちの真ん中を使う。1セグサービスに追加投資はほとんどいらない」(同氏)とも話しており、基本的に1セグ放送サービスはHD放送同様の全国サービスになる見込みだ(地上デジタルのエリアは下写真、もしくはこちらを参照)。

 地上デジタル放送のエリアのめやす(クリックで拡大)。地上デジタル放送推進協会(D-PA)のデータを引用 *禁転載不許複製

 TBSのメディア推進局 デジタル放送企画部の井川泉氏も、「(1セグメント放送の実験では)八王子や横浜でも受信できた。そんなに心配していない」と話す。

 東京タワーからの放送波が届く範囲は、固定テレビでの受信に比べると多少狭まるかもしれないと断りつつ、「ほぼカバーできる」という。このために、わざわざ地上系インフラを構築しなおすということもないようだ。

 同氏はまた、言葉を選びつつ“エリアカバー率がすべて”でもないことに言及する。

 「固定のテレビは、公共の電波を使っているのだからあまねく受信してもらう必要があるが、1セグ放送は『補完放送』(10月2日の記事参照)」。多額の投資をしてまで、エリアにこだわることはしない方針だ。

 究極的には、モバイル放送と1セグ放送では「有料放送と無料放送」という大きな差がある。有料であるモバイル放送では、十分なエリア拡大を図らなければサービスに加入してもらえない。しかし1セグ放送は、「固定テレビのサイマル放送を、外でちょっと視聴できる――」という位置付けですむ。この点が、サービスの多くの性質にかかわってくるようだ。

前 1セグ放送&モバイル放送・徹底比較(終)
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月25日 更新
  1. ダイソーで550円の「マグネット式ノートパソコン用スマートフォンホルダー」は磁力も強くて優秀だった (2026年05月23日)
  2. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  3. 「手書き」より「キーボード」を望む子供たち スマホ・PCが変えた文字入力の歴史と、今こそ見直したい手書きの価値 (2026年05月24日)
  4. あの“ロボットマラソン”でHONORが優勝していた スマホ技術を応用した「Robot Phone」から家庭用ロボット実現へ、AI戦略の全貌 (2026年05月24日)
  5. なぜ? 「Rakuten WiFi Pocket 5G」販売再開も、Rakuten Linkは利用できず 理由を楽天モバイルに聞いた (2026年05月23日)
  6. あなどれないワークマンの“小物” 手頃で機能性に優れているのが決め手か (2026年05月23日)
  7. ドコモが「5G SA」を5月27日から“いったん”無料化 今後の有料化にも含みを残す (2026年05月21日)
  8. ソニー、AIカメラアシスタントが売りのXperia 1 VIIIを発表――公式Xアカウントはなぜ大炎上したのか (2026年05月24日)
  9. MOFTのApple Watch向けシリコンバンドが15%オフ 無段階調節できる両面マグネット式 (2026年05月23日)
  10. 【ワークマン】2500円の「ベーシックアンカーリュック」 多様なシーンで使える容量24Lの収納力 (2026年05月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年