受信速度887.9Kbpsも〜デュアルバンドのCF型WIN「W02H」を試す(2/2 ページ)

» 2004年10月27日 14時50分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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2GHz帯での音声通話をサポート、着メロも選べる

 W02Hは、初のCFタイプであることに加え、もう1つのau初の要素がある。付属のダイヤラーソフトとイヤホンマイクを組み合わせると、2GHz帯を利用した音声通話が行えるのだ。

 付属のダイヤラーでは電波状態の確認も行える。発着信履歴や着信時にはアドレス帳に登録された氏名を表示させることも可能だ。履歴はダイヤラー起動時の発着信のみ有効。インターネット接続などを行う機能はないが、ダイヤラーを起動したままでインターネット接続は可能

 音声通話は発信はもちろん着信も受けられる。Windows用のダイヤラーソフトでは、着信メロディまで選べる。アドレス帳や発着信履歴機能も備え、数字キーで電話番号を入力可能だ。

 設定画面では累積された送受信パケット数も確認できる。ダイヤラー起動時のみ累積される点には注意したい。着信音はWAVファイルを指定できるので、任意の着信音を設定できる

 通話はW02H側で音声処理を行う。イヤホンマイクをW02Hに接続して通話するためか、品質も音声端末と特に変わらない。おおむね発信専用で使うことにはなるだろうが、機能としての実用性は悪くない。

 インターネット接続中はダイヤラーにはこのようなメッセージが表示される。音声端末でのデータ通信利用時は音声着信を割り込みできるが、W02Hではできない。この点は少々不満が残る

PacketWINシングル契約には非対応、割引制度でバランスを確保

 料金面では音声通話をサポートする関係か、料金プランとして割安な「PacketWINシングル」は選べなくなった。WINの音声端末向け料金プランでの契約が必要で、PCカード型の「W01K」と比べた場合、ミニマムの月額料金は高くなってしまった。「PacketWINシングル」が1575円/月に対し、音声端末向けプランではもっとも安いプランSSでも4095円/月になるからだ。

 ただしこの点は、割引制度を生かせばバランスがとれる。例えばプランSSに年割や家族割を適用すると、契約1年目から2610円/月になり、1050円分の無料通話料が含まれる。実質の基本料金は1560円/月という計算が成り立つわけだ。既にauの音声端末を契約しているユーザーが家族割を適用して使うなら、実質のミニマム月額料金は変わらないことになる。ちなみに「PacketWINシングル」には企業向けのボリュームディスカウント以外の割引サービスはない。

 基本料金に含まれる無料通話料金は、Packet割WIN(ミドル、スーパー含む)を利用するとデータ通信料金として使えない。しかしW02Hを使うにあたってPacket割WINを適用しない人はほとんどいないだろう。そうなるとW02Hで音声通話しないとムダになる気もするが、家族割なら音声端末でW02Hの無料通話料金を使えばいい。場合によっては音声端末を1ランク安い基本料金プランに変更するのもありだろう。

 もっとも「PacketWINシングル」という選択肢があったほうが、料金面での自由度が高いのも事実。PacketWINシングルが契約できない理由は分からないが、できれば対応してほしいところだ。

“高速+シームレス3Gのauならでは”の広いエリアが魅力

 W02HのインフラであるCDMA 1X WINは、一般に2.5Gと呼ばれるcdmaOneからの互換性を継承している。速度面の制限はあるがWINのエリア外でもcdmaOne、CDMA 1Xのエリアであれば利用できる。

 気になるのは音声通話のサポートとこれに伴う料金面のちぐはぐさだ。Wake on Modem機能を使って“PDAの消費電力を抑えつつ待ち受けが可能”というなら、音声端末としても利用価値があるかもしれない。しかしマニュアルを確認するかぎりでは、こうした使い方には対応していないようだ。音声通話機能のサポートは否定しないが、それと引き替えにPacketWINシングルを契約ができないのは、アンバランスな気がする。

 もっとも、auユーザーであれば家族割を活用すればミニマムの月額利用料金は1560円/月で済む。VGSのデータバリューパックには無料通信料で大きく水を空けられているが、FOMAと比較するとパケット料金は割安で、利用可能エリアも広い。

 料金面では、割引サービスをフルに活用しても“Webアクセスを頻繁に行う”といった使い方にはまだ向かないが、“利用する時に快適さを求める”“できるだけ広いエリアで使いたい”といったユーザーには向いている。auの場合、パケット割WINの当月適用もできるので、“普段は割引サービスなしでPDAでのメール送受信専用に使い、出張時などヘビーに使う際にはパケット割WINを当月適用、翌月は割引サービス解除”といった使い方も可能なことを覚えておくといいだろう。

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