東芝製「W21T」と日立製「W22H」が、都内でも20日に発売になった(11月16日の記事参照)。併せてKDDIが今年の冬の目玉サービスとして始める音楽配信サービス「着うたフル」もスタートした(10月13日の記事参照)。
“着うた”の名前はついていても、これはれっきとした音楽配信サービスだ。対応端末には、イヤホンが付属しており、“携帯で音楽を聴いてほしい”という意気込みが伝わってくる。
サービス名 | 長さ | ビットレート | エンコード方式 | 容量 |
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着うた | 15〜30秒 | 25Kbps〜 | AAC(一部MP3) | 〜90Kバイト程度 |
着うたフル | 5分程度 | 48Kbps | HE-AAC(aacPlus) | 約1.5Mバイト |
“歌詞付きの着メロ”程度の位置づけだった「着うた」から、長さ・クオリティ共に大きく進化。5分程度のフル楽曲を、最新の音声エンコード方式HE-AAC/48Kbpsで提供する。AACであれば96Kbps、MP3であれば128Kbps程度に当たるクオリティだといわれている。ファイル容量は約1.5Mバイトとなっているが、当然楽曲によって大きくバラツキがあった。1.9Mバイト近い曲も存在する。
ではスタート直後、どのようが楽曲が“音楽配信”されているのか。「トップメニュー」−「カテゴリー」から「着うたフル」を選ぶと、現れるのは6サイト。うち、洋楽が1サイトだ。
着うた同様、サイトごとに扱うアーティストは異なり、またアーティストごとに1曲の値段もかなり異なる。PC向けの音楽配信サイト大手のmora(旧レーベルゲート)は、1曲210円を基本としているが、携帯の場合はどうか。
MLJが運営する「アーティスト公式サウンドフル」は、175R、GLAY、SHAKALABBITS、Jackson vibe、B-DASHなどを扱う。GLAYは150曲をそろえ、175Rは「全曲網羅」をうたっている。ダウンロード価格は、ほぼ全曲315円だ。
同じくMLJの「ワタナベ☆ヒットパレードフル」はアグネス・チャン、沢田研二、吉川晃司など30アーティストがラインアップ。120曲を用意し、価格は315円。
バンダイネットワークスが運営する「インディーズモバイル」は、インディーズ時代のオレンジレンジやASIAN HAND、KOHLなど1200曲を配信。特徴は1曲105円という低価格帯を中心に配信していること。
music.co.jpが運営する「MUSIC.JP」は1500曲を用意。平原綾香や鈴木亜美のほか、Gackt、虎舞竜、チューリップ、甲斐バンドなどの曲を容易した。価格帯は平原綾香のJupiterで210円。
レーベルモバイルの「レコード会社直営♪フル」はメジャーアーティスト36人の楽曲を容易。エイベックス、コロムビア、ソニー・ミュージック、ビクターなどのレコード会社が参加している。曲の価格帯は、アーティストによって大きくばらけた。最も多いのは315円で、浜崎あゆみ、東京スカパラダイスオーケストラ、ロードオブメジャー、大塚愛、Do As Infinity、TRFなどが当たる。
ピンク・レディー、MINMI、19、酒井法子、河村隆一、高橋真梨子などは262円と少々安価に、宇多田ヒカルは388円と値が張る。着うたフルのキャンペーンソングとなっているオレンジレンジの「花」は、1月20日までの限定配信で420円だ。
着うたフルと同時にサービスが始まったのが、「EZ Music!」(10月13日の記事参照)。これまでの着うたはサイトごとにアーティストを扱っていたため、探しているアーティストの曲がどのサイトにあるかを見つけるのが面倒だった。EZ Music!では、各社のサイトを横断して検索が可能。アーティスト名を入力すれば、簡単に着うたにたどり着ける。
また検索したアーティストのCDを、auのオンラインショップから購入することも可能。クレジットカード決済や代引きのほか、携帯電話料金と合算で支払う「まとめてau支払い」も選択できる。
注意点としては、EZ Music!はアーティスト名でしか検索できないこと。着うたフルを探そうとしたり、着うたを探そうとしても、CD販売しかヒットしないことが多々ある。
「せっかく着うたフル対応端末を買ったのだから、着うたフルをダウンロードしたい」と思うユーザーも多いだろう。現状の楽曲数の場合、カテゴリーから各社のサイトに飛び、従来通りの探し方をしたほうが着うたフルは見つけやすい。
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