モジュールの薄さを実現できたのは、MID(Molded Interconnect Device)技術により、撮像素子とレンズを立体回路基板に一体構造化したことと、レンズの薄型化による。一体構造化によって光軸精度が高まり、画像の均一性が上がったという。また、レンズを薄くすると、中心と周辺とで光量の差が大きくなりやすいが、撮像素子とレンズを一体にして光学特性を最適化したこと、また光量ムラ補正技術をDSPに内蔵することにより、光量差が少なく、画像の隅々までシャープに撮影できるようになった。
νMAICOVICONに最適化したDSPも開発、オートホワイトバランスの向上、擬色の低減、エッジをなめらかに処理する画像強調機能、マクロ用の画質補正機能、ストロボやメカニカルシャッターの制御機能などを盛り込み、「デジカメ並み」という高画質を実現している。
AFは、NTTドコモ製端末である「P505iS」「P900i」で採用されているものと同じ。素子が取り込んだ画像の明暗差を見て焦点を計算し、レンズを動かすパッシブ方式で、マクロから無限遠まで手動の切り替えなしに焦点が自動で合うようになっている。
動画撮影時の手ぶれ補正機能も、本モジュールで初めて採用されたもの。VGA、30fpsのフルレート時にも利用できる。撮影した画像の周辺10%をマージンとして使い、リアルタイムで手ぶれ補正した中央の画像を、携帯電話のCPUでVGAサイズへ拡大ズームして出力する仕組みになっている。
なお、静止画の手ぶれ補正機能についても現在開発中とする。「デジカメの技術をそのまま持ってくるのでは大きすぎる。またそれ(デジカメ用の手ぶれ補正技術)では落下に耐えないため、携帯用としては難しい(パナソニックSCデバイスソリューションズ社長の長谷川隆義氏)」
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