「OFFICE WISE」で好みのau携帯が内線にモバイルセントレックス最新動向インタビュー(2/2 ページ)

» 2004年12月18日 01時51分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]
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契約端末数1000が目安

 OFFICE WISEの導入はかなり大規模だ。PBX(内線電話網と公衆回線とを接続する機器)とau公衆網を接続するインタフェース、および停電対策用のバッテリなどを持ったOFFICE WISE装置(小型基地局)を1台と、室内アンテナを、導入したいビルの屋内に複数台設置する。エリアをビル全体にする、1フロアだけにする、などの条件によっても変わってくるが、この初期投資が数千万円から上限5000万円程度。契約端末数は1000以上を想定している。例えば東京と大阪など、離れたエリアを結んで使いたいという場合は、PBXと、PBXを結ぶ専用線はそのまま利用し、エリアごとに小型基地局を設置する。

OFFICE WISEの構成図。auの公衆網とエリア内通信網の間にOFFICE WISE装置を入れるのが特徴だ。OFFICE WISE装置とPBXを結ぶ(PBX直収オプション)ことにより、PBXの持つさまざまな機能を利用できる

 もう少し規模が小さいところにも導入できるような商品も提供予定だ。こちらはOFFICE WISE装置をデータセンターに置き、複数の会社でシェアする方式で、アンテナだけを導入したいビルに設置する。想定契約端末数は300以上。来年4月からサービス開始予定で、当初はKDDI大手町ビルの周辺からのスタートとなる。

OFFICE WISEの室内用アンテナ

 オフィスビル、フロアなど特定のエリア内であれば、登録してあるau携帯や固定電話同士であれば定額料金でかけ放題になる。月額利用料は1回線につき897円(最低利用3年以上の場合)だ。

 内線のつもりで電話がかかってきたときにエリア外にいた場合でも、オプションの「リルーティング通話」機能を利用すると、そのまま090-xxxx-xxxx/080-xxxx-xxxxの携帯番号に電話が転送される。リルーティング通話は1分あたり31.5円、リルーティング回線の利用料金は、1チャネルあたり2100円。1000端末で10チャネルが目安、とKDDIでは説明している。このほか、必要なオプションとしては、エリア内通信網とPBXを結ぶPBX直収料金が月額3万1500円かかる。

端末を自由に選べるのがメリット

 OFFICE WISEが、他社のモバイル・セントレックス商品に比べて優れている点として、端末の選択肢が広いところが挙げられる。プリペイドタイプを除けば、機種を問わずau携帯を利用できる。音声通話はもちろん、EZweb、Eメール、Cメールなどの機能もそのまま使える。

 機能に制限がないので、「ケータイオフィス」や「GPSMAP」など同社の提供する法人向けソリューションを組み合わせ、OFFICE WISEのアプリケーションとして利用できるのもメリットだろう。在庫管理の現場などでBluetooth対応端末を導入して、バーコードリーダーと組み合わせて使ったり、フィールドエンジニア向けに位置情報サービスと組み合わせたシステムを構築したり、という場合には、端末の選択肢の広さは、そのままアドバンテージになる。

 通常のPBXベースの固定内線システムに比べ、端末の設置にかかる初期費用が高額なのが気になるが、「高機能PBXを買った場合の費用と、実はあまり変わらない。また、KDDIが提供する事業者設備という形なので、メンテナンスはKDDIが行う。ランニングコストは決して高くない」とする。また+αのメリットとして「室内アンテナは登録していない携帯にも有効。屋内対策も兼ねられる」(稲垣氏)。

 ただ、内線電話として見たときには、携帯電話の機能はかなりシンプルだ。長期休暇、出張時などに事前に転送設定をしておく「無条件転送」、呼び出し続けても電話に出ない場合に他の電話に転送する「無応答転送」、話し中の場合に他の電話に転送する「話中転送」などの基本的な転送機能と、保留程度の機能しか持っていない。この点に関しては「常に持ち歩いていることによって、内線機能はかなり省略できる」(椿山氏)という。


モバイルセントレックスとは何か
ドコモ:PASSAGE DUPLE導入事例
KDDI:「OFFICE WISE」で好みのau携帯が内線に
ボーダフォン:日本全国が内線エリア〜Vodafone Mobile Office
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