メールについては、同じく送信されたメールをすぐに受信する「自動受信」に加えて、「メール選択受信」と、「メール確認サイト」という3種類の受信方法が用意されている。前者は日本国内で通常使用するのと同じ設定で、後者のふたつは自動受信をOFFにする設定となる。
「メール選択受信」はセンター側で必要なメールを選択、選択したメールだけを受信するという設定で、「メール確認サイト」はセンターに設けられた「メール確認サイト」でメールのタイトルや本文の一部の確認はできるが、受信はできないという設定だ。
いずれもパケット代金(後述)の節約につながるため、積極的に活用したい機能だが、前者は「メニュー」-「メール」-「メール設定」-「メール選択受信設定」、後者は「メニュー」-「メール」-「メール選択受信」とたどり、センター上で設定を行う。類似した機能だが、たどるべき階層が異なる点はやや分かりにくい。
メールの作成機能については、N900i、N900iSとほぼ同様。日本語入力は通常の入力方法のほかに「T9」が利用可能。これらの機種を利用したことがあるユーザーならば戸惑うことはないだろう。
そして最後に気になる料金だ。
通話料はローミング先のネットワークによって異なる。今回利用したAT&Tの場合、発信する場合で米国内向けで125円/分、日本向けでは140円/分、その他外国では265円/分。着信についてもローミング利用料が加算されるため、国際転送料の50円と通話料の125円/分が必要になる。
通話利用については、国際通話でしかも携帯ローミングということで利用する場合にはそれなりの心構えをしてから利用すると思われるが、注意したいのがメールを含むiモード利用時に発生するパケット通信料金だ。
パケット通信については地域によって2つの料金体系があり、50パケットまで50円、超過分がパケットあたり0.2円のグループAと、100パケットまで100円(超過分の料金は同じくパケットあたり0.2円)のグループBがある。加えて、パケット通信のセッション開始時に加算される最低料金(グループAで50円、グループBで100円)がかかる。
要するにパケット料金は、割引パックを付けていないFOMAと同等だが、通信を開始するごとに別料金がかかる。
また、海外での利用については、パケットパックなどの割引サービスや、無料通話分からの割り振りなど各種の割引サービスは適用外だ。
メールの受信設定を日本と同じ状態のままN900iGをグループAの米国に持ち出したとして、仮に1日5通のメールを受信し、天気を3回チェックしたとする。すると、どんなにメールが短く、チェック先のページ容量が軽いとしても最低400円はかかることになる(1セッション 50円×8=400円)。
「海外便利サイト」で紹介されている「英辞郎ポケット」では、英語の発音をiモーションで確認したとしよう。4Kバイトのiモーションをダウンロードしたならば、1パケットは128バイトなので、1モーションひとつで32パケット。国内ならば6.4円(0.2円/パケット)だが、米国内では50円(50パケットまでのパケット料金とセッション開始料金)かかるわけだ。
最も大きな違いはセッション開始時に要求される最低料金だ。1パケットでも接続してしまえば50円の料金が発生してしまうため、「必要なとき、こまめにiモードにアクセスする」という日本国内と同じ感覚でiモードを利用しているとあっという間に“パケ死”状態に陥ってしまう(これについては本製品のマニュアルにも記載されており、「タスク」キーを利用して、なるべく1回のiモードセッションを持続するようにと注意書きがある)。
旅行で海外に滞在していると、TVや新聞などから情報を得る機会も減りがち。天気や交通(主に航空になるだろう)などについては、積極的をこちらからチェックしないとなかなか知る機会も少ない。本製品を利用し、iモードで海外でも日本国内と同じ感覚で情報をチェックできるのは非常に便利なだけに、料金だけには気を付けたいところだ。
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