以下は例文とそれを入力している様子だ。「↓」は予測候補の選択、括弧内は変換結果を示す。
例文1 | 大学を卒業して出版社に就職し、今では中堅編集者として活躍している。 |
---|---|
入力1 | だいが↓(大学)↓(を)そつ↓(卒業)↓(して)しゅっぱん↓(出版)しゃ↓(社)↓(に)しゅう↓(就職)↓(し)↓(、)い↓(今)↓(では)ちゅうけん↓(中堅)へん↓(編集)しゃ↓(者)↓(として)かつ↓(活躍)↓(している)↓(。) |
例文2 | 中央線が事故で止まっているので少し出社が遅れます。 |
入力2 | ちゅ↓(中央)せ↓(線)↓(が)じこ↓(事故)↓(で)とまって↓(止まって)い↓(いる)↓(ので)す↓(少し)しゅっしゃ↓(出社)↓(が)おく↓(遅れ)↓(ます)↓(。) |
例文3 | 銀行行ってる暇がないんだけど2万ほど下ろしておいてくれない? |
入力3 | ぎん↓(銀行)いっ↓(行って)↓(る)ひ↓(暇)↓(が)↓(ない)↓(んだ)↓(けど)か↓(2)まん↓(万)ほ↓(ほど)おろ↓(下ろし)て おいて く↓(くれ)な↓(ない)↓(?) |
Advanced Wnnは次文節予測を手堅くまとめてきたが、荒削りな部分もまだ多い。入力例を見てみよう。
前方一致予測については、「出版」「中堅」などの名詞で読み全体を入力していることが分かる。Advanced Wnnでは予測辞書と変換辞書を独立して持っており、予測入力の画面に両方の単語が出てくるようになっている。
予測辞書の単語は短い読みで呼び出せるが、初期状態で登録されている単語はそれほど多くない。したがって使い始めの一時期、自分のボキャブラリーが一巡するまでは、読みをまるごと入力して変換辞書から単語を拾い、それを予測辞書に覚え込ませる作業が必要になる。
名詞についてはこれでもいいが、動詞は少しやっかいだ。予測辞書には「止まって」のような活用形で登録されるため、「止まった」「止まらない」など新たな活用形が出てくるたびに読み全体を入力して覚え込ませなければならない。最初から「とま」で「止まる」のすべての活用形が予測入力できるPOBoxやAPOTにくらべるとやや面倒だ。
次文節予測についても、いまひとつ使いやすさに欠けるところがある。Advanced WnnではPOBoxのようにいつも同じ付属語セットを使うのではなく、直前の単語につながる付属語候補だけを表示してくれることになっている。
APOTやケータイShoinと同様のアプローチだが、Advanced Wnnでは表示される候補がやたらと多く、かえって邪魔なのだ。
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