「Advanced Wnn V2」の実力は〜「W22SA」の文字入力を試す効率よいメール入力を考える(3/4 ページ)

» 2005年02月18日 02時57分 公開
[太田純,ITmedia]

 例えば「花見にでも行こうか」を入力するとしよう。「花見」を入力すると次文節予測ウィンドウが表示され、「ですが」「じゃないと」「なんだけど」など117件もの候補が表示される。その91件めに「にでも」はあるのだが、探す手間を考えたら手で入力したほうが早いし、せっかく学習させても「映画にでも」を入力するときはまた選び直しだ。「に」「でも」の2回に分けて入力すれば探すのも楽だし、別の単語に対しても「〜に」のあとに「でも」がすぐ出てくる。

 このように、用意されている候補の多くが実際には使うチャンスがない。それでも邪魔にならないのなら別に文句はないのだが、本当に必要とされる候補が埋没してしまうのが困るのだ。

 入力例でいうと「して」「では」「として」「している」などは次文節予測の候補にあるのだが、ずいぶん探し回る必要があった。付属語候補は使っているうちに元の位置に戻ることがあるので、最初から探しやすい位置にあることは重要だ。

 以上のように難点もあるものの、次文節予測の威力はやはり絶大で、モバイルWnnにくらべると文字入力のしやすさは格段に向上している。もう少し洗練されればPOBoxやAPOTとも十分渡り合えるだろう。

返信自動学習で予測辞書を鍛えよう

 Advanced Wnn V2には「返信自動学習」という機能が追加されている。これは受信メールの文章を単語レベルに分解して専用の予測辞書を作り、返信メールの作成時に最優先で表示する仕組みだ。これによってカタカナ語や固有名詞の多いメールに返事を書くのが楽になる。予測辞書に登録されるのは受信メール中のカタカナ語、漢字語、単漢字で、単語どうしのつながりも同時に学習される。

 返信自動学習の予測辞書は返信メールでしか使えない。通常の予測辞書にそのまま書き込むとゴミのような学習情報が増えることを警戒してのことだろう。しかし、ここから手で拾った単語は通常の予測辞書に書き込まれるため、うまく利用すれば自分の予測辞書をきたえることが可能だ。

 それにはまず、覚え込ませたい単語を並べたメールをPCで作ってW22SAに送ろう。次に返信メール作成画面を開き、それぞれの単語について読みを入力し、予測候補からそれらの単語を拾って確定してやればよい。たいていの単語は読みの先頭1文字で呼び出せるので、作業にたいした手間はかからない。

 「坪内逍遙」「二葉亭四迷」のように、辞書になく自動で読みを振れない単語、「東武東上線」のような複合語についても、先頭の文字さえ読みで出せれば、あとは後続の文字を予測候補から次々に拾うことで登録できる。もちろん、次に新規メール作成でこれらの単語を使うときも同じ手順でいい。

 返信メールで受信メールの単語を拾っていけば(左)、予測辞書に登録されて新規メールでも利用できるようになる(中央)。読めない人名も次文節予測ですいすい入力できる(右)

 携帯端末での単語登録は面倒なものだが、返信自動学習はその苦労をかなり軽減してくれる。読みの分からない単語を分からないまま使えるというのも意表を突いていて痛快だ。

 オムロンにはこの機能をさらに改善し、特定のメールからワンボタンで通常の予測辞書を学習させる手段を提供してくれるよう望みたい。

 なお、返信自動学習は初期状態でオフになっているので、「Eメールメニュー」-「Eメール設定」-「送信・作成設定」-「返信自動学習」でオンにしておこう。

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