日本で暮らしていると、携帯コンテンツといえばiモードやEZweb、ボーダフォンライブ!のように「キャリアのメニューからたどるもの」という印象が強い。しかし欧米やアジア諸国など、海外では勝手の違いに少々戸惑うかもしれない。
というのも、海外では携帯コンテンツといえば簡易メールを通じて流通することが多いからだ。世界のコンテンツ市場への進出に積極的なインデックスに、海外コンテンツ事情を聞いた。
インデックスの国際事業部長、渡辺孝弘氏は「海外のGSM圏では、携帯キャリアのメニューからコンテンツをたどるというモデルが比較的確立していない」と話す。代わりに、SMSを利用したコンテンツ流通が一般的だという。
SMSといえば、GSMやW-CDMA方式で利用される簡易なメッセージ送受信サービス。これがなぜコンテンツ配信と結びつくのか……と感じるユーザーもいるだろう。実は海外のコンテンツプロバイダーは、着メロや壁紙を販売するにあたり、まずSMSのアドレス番号を通知するという手順をとっている。
上写真は、海外で販売されている雑誌。携帯コンテンツの広告ページを開いている。「Ringtone」(着メロ)や「Wallpaper」(壁紙)といった文字が躍っている。
「ユーザーはコンテンツがほしければ、事業者宛てにSMSを送信する。海外ではコンテンツプロバイダが、『ショートコード』と呼ばれる4〜5桁の事業者番号を取得している。このショートコード宛にSMSを送信するわけだ」
もちろん、その事業者が提供する「どのコンテンツが欲しいか」を別途指定する必要がある。このためSMSの本文欄には、コンテンツを指定するためのユニークなID(数字列)を記載する。たとえば「TrueTone」と名づけられた着メロサービスでは、曲名のところに単音の「Mono」と和音の「Poly」という文字があり、それぞれ該当するコンテンツ番号が記載されている。ユーザーはこの数字を入力することで、ほしいコンテンツを指定するわけだ。
「SMS送信すると、すぐにSMSで返信が届く。このSMSに、たとえばコンテンツをダウンロードできるURLが記載されている、という流れ。課金は、送信時や受信時に行われる」
価格はコンテンツにもよるが、2ユーロ程度(約270円)で日本の料金とそれほど変わらないようだ。「英国では少し高めで、3ポンド(約610円)する場合もある。国によっては、日本と比べ利用者は少ないがコンテンツ料金が高いため市場として成立している」(同氏)という。
コンテンツの中身は、日本とそう変わらない。どの国でも人気はやはり着メロ、壁紙。米国などではゲームも人気が出ているという。
ただし、SMSコンテンツの中には日本にない種類のものもある。それが次回に説明する「テレビ連動型」コンテンツだ。同コンテンツのシステム面を担当するオランダのYAROSA ENTERTAINMENTに、海外の事情を聞く。
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