目線はすでに3.5世代へ──韓国W-CDMAサービスの現状韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2005年05月02日 00時27分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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 Samsungのプレスリリースによると、3Gー2Gハンドオーバーとは、「W-CDMAモジュールとCDMA2000モジュールを同時に管理し、使用者がW-CDMA網で電話をかけた状態で、W-CDMA網がない地域へ移動しても端末機のW-CDMAモジュールで無線信号が弱くなるのを感知する」システムだという。信号の弱化を感知した後、「端末機が基地局と交信し、基地局はCDMA2000システムへハンドオーバーというメッセージを下す。端末機はこのメッセージを受け、内部的にCDMA2000モジュールを駆動させ、基地局で下されたとおりに通話チャンネルを開き、CDMA2000へハンドオーバーし、通話を定常的に設定した後、W-CDMAモジュールの動作を止める」という仕組みとなっている。

 W-CDMAのエリア拡張にはまだ時間がかかるが、この3G-2Gハンドオーバー技術によって、既存のサービスを利用しつつ、W-CDMAへの移行を進めることが可能となっている。またW-CDMAの特徴の1つでもある「テレビ電話」を定着させるべく、新しいプランの提供なども積極的に行い始めた。

 SCH-W120の登場前である2月15日、SKTではEV-DO加入者とW-CDMA加入者間で、テレビ電話ができるサービスの提供を発表している。W-CDMA以降もサービスの中心をなすと予想されるテレビ電話の定着を狙ったものだ。また7日には、テレビ電話料金が120ウォン(約12円)/10秒などの新料金プランも発表している。

 さらに、海外事業者との国際ローミングも近く実現する見通しだ。22日付の電子新聞によると、SKT及びKTFはNTTドコモと協力し、5月末から「W-CDMA国際ローミングサービス」を展開する予定との報道がなされている(4月25日の記事参照)。当初は日本のW-CDMA利用者向けのインバウンド・ローミングサービスとなり、詳細は未定だがFOMAユーザが韓国内で音声通話やマルチメディアサービスが利用できるようになるという。もちろん韓国のW-CDMA利用者向けや、日本以外のW-CDMA採用国とのローミングサービスも検討されているようだ。

 ようやくキャリアもメーカーもW-CDMAの本格開始へ動き出したと思われるが、本格的な展開はもう少し先になるかもしれない。その理由は3.5Gともいわれる「HSDPA」の導入だ。

 最大14.4MBの高速通信が可能で、W-CDMA版EV-DOともいうべきHSDPAは、最近ようやく商用化の目処が立ちはじめた。NTTドコモも日本国内での導入を予定している(2月16日の記事参照)

 しかし中国などW-CDMAの導入が遅れている国では、W-CDMAから一気にHSDPAまで導入する可能性が高いといわれている。W-CDMAの導入が進んでいない韓国のキャリアも「HSDPAの導入で一気にW-CDMAの本格導入」を目論んでおり、その時期は来年早々になるとも、早ければ今年末になるともいわれている。

 現在はまだキャリア主導の様相を呈しているW-CDMA市場。しかしHSDPAの展開が予想される来年には、ハナロ通信やKTなどが韓国発の高速無線ブロードバンド技術「WiBro」の開始を予定しており、新たな「無線ブロードバンド競争」も予想されている。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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