KDDI高橋氏が語ったコンテンツ戦略BREW 2005 Conference(1/2 ページ)

» 2005年06月03日 09時08分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 全世界のCDMA2000採用携帯オペレータの中でも、日本のKDDIは最も先進的なキャリアとして知られる。QualcommのBREW 2005 Conferenceでも、基調講演に続くトップバッターとしてKDDIの高橋誠執行役員が演壇に立った。

流暢な英語でプレゼンテーションを行う高橋氏。「パケ死」を海外キャリアに説明する一幕も

 KDDIはCDMA2000キャリアの成功例としてだけでなく、ドコモおよびボーダフォンという世界2大グループに互して、戦っているという点でも注目を集めている。高橋氏が話したコンテンツ戦略を、数字を交えて見ていこう。

3G&定額でARPU向上

 「3Gとフラットレート(定額)。この2つが重要なキーワードだ」

 2年連続の純増シェア1位(1月11日の記事参照)。そして高止まりするデータARPUと伸びるコンテンツARPU。現在絶好調のKDDIだが、ここに至る道は平坦ではなかった。

 一時はJ-フォン(現ボーダフォン)に抜かれ、契約者数で国内3位に落ち込んだ(2002年4月5日の記事参照)KDDIが力強く復活するきっかけとなったのが、3G──CDMA 1Xの導入だった。その後、1x EV-DOを「1X WIN」の名称で導入。パケット定額制を導入したことが、成功を決定的にした。

 3月末時点でWIN加入者は325万人。うち77%が定額制を契約している。契約者の月間支払額を表すARPUで見ても、1Xユーザーが6960円なのに対し、WINユーザーは1万160円と高水準。「WINユーザーのデータARPUは3520円と、1Xユーザーの2倍」だと高橋氏。

 しかし最も注目すべきは、定額制ユーザーのコンテンツ利用額の高さだろう。「1Xユーザーが月間310円なのに対し、WINユーザーはコンテンツプロバイダーに平均して1070円を支払っている」と高橋氏は胸を張る。

 「1Xでは、若年層のユーザーは“パケ死”を恐れて、毎日パケット量を計測していた。WINでは、(パケット代の)上限が決まるため、ユーザーは安心してコンテンツを購入する」。高橋氏は、定額制導入がコンテンツ売上に結びついた理由をこう説明した。


ゲームと音楽に集中

 コンテンツのカテゴリーでは、着目点は2つある。

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