全世界のCDMA2000採用携帯オペレータの中でも、日本のKDDIは最も先進的なキャリアとして知られる。QualcommのBREW 2005 Conferenceでも、基調講演に続くトップバッターとしてKDDIの高橋誠執行役員が演壇に立った。
KDDIはCDMA2000キャリアの成功例としてだけでなく、ドコモおよびボーダフォンという世界2大グループに互して、戦っているという点でも注目を集めている。高橋氏が話したコンテンツ戦略を、数字を交えて見ていこう。
「3Gとフラットレート(定額)。この2つが重要なキーワードだ」
2年連続の純増シェア1位(1月11日の記事参照)。そして高止まりするデータARPUと伸びるコンテンツARPU。現在絶好調のKDDIだが、ここに至る道は平坦ではなかった。
一時はJ-フォン(現ボーダフォン)に抜かれ、契約者数で国内3位に落ち込んだ(2002年4月5日の記事参照)KDDIが力強く復活するきっかけとなったのが、3G──CDMA 1Xの導入だった。その後、1x EV-DOを「1X WIN」の名称で導入。パケット定額制を導入したことが、成功を決定的にした。
3月末時点でWIN加入者は325万人。うち77%が定額制を契約している。契約者の月間支払額を表すARPUで見ても、1Xユーザーが6960円なのに対し、WINユーザーは1万160円と高水準。「WINユーザーのデータARPUは3520円と、1Xユーザーの2倍」だと高橋氏。
しかし最も注目すべきは、定額制ユーザーのコンテンツ利用額の高さだろう。「1Xユーザーが月間310円なのに対し、WINユーザーはコンテンツプロバイダーに平均して1070円を支払っている」と高橋氏は胸を張る。
「1Xでは、若年層のユーザーは“パケ死”を恐れて、毎日パケット量を計測していた。WINでは、(パケット代の)上限が決まるため、ユーザーは安心してコンテンツを購入する」。高橋氏は、定額制導入がコンテンツ売上に結びついた理由をこう説明した。
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