勢いに陰りも――台湾のCDMA 2000とPHSTaipei Telecom 2005 CDMA/PHS事業者編

» 2005年07月20日 20時14分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 台湾・台北で開催された通信関係の展示会「Taipei Telecom 2005」。W-CDMAオペレーターのブースが最新端末や動画サービスなど華やかだった一方で(7月19日の記事参照)、CDMA 2000およびPHSのオペレーターは展示内容にやや苦しさを感じた。

端末種類とサービスの目新しさに欠けるAPBW

 2003年のサービス開始当初から、CDMA 2000方式で3Gサービスを展開しているAPBW(亜太行動寛頻電信)。展示内容は着メロやゲーム配信などがメインで、サービス開始当初から大きな変化はなかった。昨年と比較しても目新しさが感じられず、やや地味め。ビデオ配信も一部開始されたが、現段階ではメジャーサービスになりきれていないようだ。

APBWのブースは親会社のAPTG(Asia Pacific Telecom Group)のサービスも展示されていた

 発売中の端末は台湾と中国メーカーのみで、CDMAでありながら米Motorolaや韓Samsung、韓LGといったメジャーメーカーの端末が存在しない。展示ブース内ではSamsung製のCDMA 2000端末がデモに利用されていたが、未発売端末な上に1年以上前の古いモデル。発売中機種の展示がブースの裏手の壁面というあたりからも、端末よりもサービス内容で勝負したい、ということのようだ。

サービスはゲームや着メロ、動画待受配信などが主流。Samsung端末をデモに用いていたものの、この機種は未発売で、かつ今となっては旧スペックの端末
APBWの現行発売機種。左上からTORO「CT168/CT169/CT188」、左下からZTE「C220/C608」、XG「102C」。メジャーメーカーの製品はない

 なお、サービス展示スペースの一角にはこじんまりとした18歳以下禁止の「成人専区」=アダルトコンテンツの紹介ブースがあった。W-CDMAを開始するGSMオペレーターでも、Play Boyチャンネルなどアダルト系のコンテンツ配信サービスを開始しているが、あまり目立たぬようにひっそりと展示していた。しかしAPBWは専用ブースを設け、来訪者の注目をひいていた。

 とはいえ個人的には、このあたりからも他社との差別化に苦しんでいる印象を受けた。発売予定と言われているメジャーメーカー製の最新端末を提供することが急務と感じられた。

成人専区。意外と訪問者は多かった。中ではゲームやビデオ配信の紹介

「身体に優しい」――価格競争だけでは勝てないPHS

 台湾のPHSオペレーターである大衆電信の展示ブースでは、昨年同様「超低電磁波」「超低通話費」をPHSの売りにしていた。ライバルのGSMやCDMA 2000のオペレーターは年々料金を下げており、低料金だけでは勝負にならないとの判断のためか、今年は「健康」をより強くアピール。特に年配の来訪者が通りかかるたびに「健康にやさしいPHS」そして「維持費も安い」、加えて「端末も低機能で操作がわかりやすい」ことを説明している姿が多く目に付いた。

 肝心の「低料金」のほうは、サービス開始時から続けている「基本料金無料」プランの受付が今年末で終了するとのこと。今年中に加入すると「永久に基本料金無料保証」を強く訴えており、新規ユーザーを獲得しようと熱心な勧誘が行われていた。

大衆電信のブースは「低電磁波」を大きくアピール
基本料金無料は、今年末で終了(94年は台湾の今年の年号)。新規優待キャンペーンの説明では、筆者に「台湾に知り合いの日本人がいたらPHSを薦めて欲しい」とパンフレットを数部渡すほどの熱の入りようだった

 PHSは新機種が年1〜2機種と少ないが、「今年は4〜5機種が登場する予定」(説明員)とのこと。展示会に合わせて新製品も発表され、台湾OK WAP製の「A90」と「PG900」の2機種が展示されていた。A90は手のひらにのる小型のベーシック端末。価格も安く、新規ユーザー向けには優待価格での販売を行っていた。

 一方PG900は、GSMとPHSの同時待ち受けが可能なデュアルモード端末。GSMの“副回線”に使うユーザーもターゲットにしている。ただし、PG900のGSM対応周波数は900MHzのシングルバンドのみ。台湾の大手GSMオペレーターはGSM900/1800MHzのデュアルバンドを採用しているものの、広いエリアでは1800MHzが主流だ。そのためPG900にGSMオペレーターのSIMカードを挿入していても、1800MHzエリアではGSMモードでの待ち受けができず、使い勝手が悪くなってしまっている。

 先行機種である三洋電機の「G1000」はGSM900/1800MHzのデュアルバンド対応のため、この点は全く問題がなかった。そのためPG900発売後もG1000は発売が続けられ、フルGSM対応のG1000、安価なGSMデュアル端末PG900という位置付けとなるようだ。

PHS/GSMデュアル待受可能なPG900。サイズは82×44×25.7ミリ、97グラム。メインディスプレーはCSTN6万5000色液晶、128×128ピクセル。待受時間はPHS時500時間、PHS/GSM時は110時間で、ボディーカラーは黒とシャンペンゴールドの2色

 料金引き下げも限界、端末の高機能化も難しい、となるとPHSのアピールポイントは「身体に優しい」だけになってしまうのか。日本のようにフルブラウザを搭載した高性能端末などを投入して、巻き返しを図ってほしいところだ。

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