さて、使った後の水洗いさえ忘れなければ、そのままで十分外洋で使えるG'zOne TYPE-R。そうなると、実装している「電子コンパス」「GPS機能」を実際の航海で試したくなるのは船乗りの本能。
いまや、低価格なハンディGPSはプレジャーボートだけでなく本船(貨物船やタンカー、客船の類い)でも航海の必須ツールとなっている。しかし、コンパスを使ったクロスベアリングによる船位確認や、近づいてくる船に対する方位測定など、コンパスもまだまだ重要な航海道具である。
ITmediaでもすでにこの記事で紹介しているように、G'zOne TYPE-Rに組み込まれている電子コンパスは、地磁気センサーを使って方位を表示する仕掛けになっている。しかし、GPSと連動して地図をノーズアップで表示する機能でも電子コンパスが使われている。町の地図をノーズアップで表示するためには「真方位」でないと何かと具合が悪い。
はたして電子コンパスで表示されている方位は「磁方位」なのか「真方位」なのか。KDDIに確認してみると「電子コンパスは磁石の方位を示しています」ということで、磁方位が表示されているようだ。アウトドアでコンパスを使う場合、磁方位を用いることが多いのでそういう意味では、いつもと同じ、慣れた感覚で電子コンパスを使える。
G'zOne TYPE-Rの電子コンパスは1度単位で表示してくれる。精度は揺れる小型艇で使うには十分すぎるほど。しかし、測定したい目標に正しくG'zOne TYPE-Rを向けることができなければ、この精度も無駄になる。そこで、このあたりで「ひと工夫」を加えてみる。
マニュアルによると、電子コンパスを使うときは「本体のキー操作部を水平にしてください」とある。そして、測定目標を正しく捉えるためには何かしらの「照準」を通して直接目標を見ることが望ましい。ということで考えたのが以下のような「方位測定フォーム」と「測的目標捕捉照準」だ。
ラウンドプロテクターのちょうど真ん中に成型工程でできたモールドがうっすらとあるので、それに合わせて上はクラブヒッチでヒモを巻き、下は三角に切った白いビニールテープを貼る。クラブヒッチで巻いたヒモのスジと三角シールの線上に目標を捉えると、それなりの精度で方位を測的できた。
この姿勢で方位を測的すると、目標をプロテクターの中に捉えながら、液晶画面に表示される16方位と方位角の値を「なんとか」同時に読み取れる。おお、航海用のハンドコンパスとしてはなかなかの使い勝手ではないか。G'zOne TYPE-Rの電子コンパス機能、見事合格である。
なお、G'zOne TYPE-Rは閉じた状態でサブディスプレイに電子コンパスが表示されるが、この状態でも本体を水平に構えなければならないため、船で使うような「目標を捉えながら測的する」ことができない。また、夜間は液晶パネルの輝度が明るすぎて、肝心の目標を捉えられなかったことも注意しておきたい。
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