「W32SA」、音楽プレーヤーとしての機能を試す(2/2 ページ)

» 2005年08月17日 20時24分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 音楽再生中に通話やEメールが着信した際の動作は、ミュージックプレイヤー時とBGMモード時で挙動が異なる。ミュージックプレイヤーでは通話が着信すると音楽は中断され、通話終了後も音楽再生には復帰しない。ただし音楽再生は一時停止した状態になっているので、再度ミュージックプレイヤーを起動すれば続きから再生できる。Eメール受信はバックグランド受信をオンに設定していれば受信が行われ、オフであれば通知のみを受信し、ミュージックプレイヤー終了後(もしくはBGMモードに移行後)に受信する。

 BGMモードでは、音声通話が終了するとフェードインしながら再生が再開される。Eメールも受信開始時に音楽再生が中断され、完了後にフェードインしながら音楽が再開する。携帯音楽プレーヤーとして使うなら、BGMモードのほうが自然に動作する印象だ。

 少々気になったのは、W31SAでは曲間移動に割り当てられていた側面の上下ボタンが、音量に変更された点。ほかの端末に見られるように、長押しと短押しで機能を振り分ける手もあるはずだが、W32SAでは音量調整のみの対応だ。

 またBGMモード時には、側面ボタンの機能が携帯電話本来の機能に戻ってしまい、ミュージックプレイヤー時には背面ディスプレイに表示される楽曲情報も表示されなくなる。ミュージックプレイヤー画面のままの利用が便利なのか、BGMモードが便利なのか少々迷ってしまいそうな点が気になった。

携帯初、“FMトランスミッター機能”の出来は

 国内向け携帯電話で初めて搭載されたのが、FMトランスミッター機能。ミュージックプレイヤー(BGMモード含む)とビデオプレイヤーで利用でき、FMラジオの電波を利用して音を他のFM電波の受信が可能な機器に飛ばす機能だ。例えばW32SA内にある着うたフルやPCから転送した音楽を、FM電波を受信可能なカーステレオに飛ばし、カーステレオのスピーカーから音を流す──といったことが可能になる。

 FMトランスミッターでは79.1MHzから83.2MHzの周波数を利用できる。ミュージックプレイヤーやビデオプレイヤー側の設定はプレイヤー設定で「FMトランスミッター」を指定するだけでいい。設定が保持されないため、ミュージックプレイヤーやビデオプレイヤーを起動するたびに設定が必要。「メインメニュー」−「便利ツール」−「FMトランスミッター」からミュージックプレイヤーやビデオプレイヤーを起動すると、FMトランスミッターを利用する設定でそれぞれが起動するので、こちらを利用するのが便利だ。

 「FMトランスミッター」からミュージックプレイヤー、ビデオプレイヤーを呼び出すとFMトランスミッターがオンになった状態で各機能が起動する。利用する周波数設定も幅広く、FM放送と干渉することもなさそうだ

 車内で利用してみたところ、W32SAを身につけたり、助手席に置いたカバンに放り込んだ状態では電波出力が足りないようで、FMラジオ側でまともに受信しなかった。ダッシュボードの中央に置くと、ほぼ不満のない音質で利用できたが、想像していたよりは不便な印象も受けた。このあたりはFMラジオ側の受信感度の問題もあると思うが、バッテリー消費量の問題もあってそれほど送信出力を上げられないのだろう。車内での利用ではW32SAの置き場をきちんと確保する必要はありそうだ。

 もっともFMトランスミッターが便利であることは間違いない。miniSDメモリカードも1Gバイトの製品が入手可能になりつつあり、端末側が大容量メモリに対応すれば、100曲以上の楽曲を保存可能になる。“W32SAさえあれば、車でもお気に入りの曲をさっと聴ける”という使い方に魅力を感じる人には、お勧めできる端末だろう。

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