安くなるけど遅くなる?──「mopera U」のWeb圧縮機能を試す短期集中ロードテスト「M1000」 No.6

» 2005年09月14日 17時06分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 「mopera U」のWeb圧縮機能を使ったWebアクセスを試してみました。PC向けのWebサイトはリッチコンテンツ化が進んでいるので、画像を中心にデータ量を削減してくれる機能でも使わないと、パケ・ホーダイ未対応のM1000ではパケ死の恐怖にさらされます。

 mopera UのWeb圧縮機能はクライアントソフトが不要なタイプ。mopera UのWebサイトにアクセスして設定を行います。M1000からも行えますが、FOMAのパケット通信で接続すると通信料金が発生するので、事前にPCで設定しておくのがいいでしょう。

 Web圧縮機能は機能全体をオン/オフできるほか、画像の圧縮率を「JPG」「GIF」「PNG」のフォーマット別にそれぞれ5段階に変更できます。画像以外の文字情報も圧縮されますが、こちらは見た目は変わりません。おそらくHTTP 1.1の機能を利用しているのだと思いますが、現在のWebブラウザのほとんどはHTTP 1.1に対応していますから、PCからの利用でも問題はないはずです。

 検証はWeb圧縮オフと、オンで画像圧縮を「JPG」「GIF」「PNG」全てを圧縮率1/3/5に設定した4パターンで実施。筆者のmixiのトップページを表示した際のデータ送受信量を計測しました。Web圧縮の設定を変更するたびに(1)ブラウザのキャッシュをクリア (2)インターネットに未接続の状態でWebサイトにアクセス (3)接続先として「mopera U」を指定 (4)Webサイトをすべて読み込んだらインターネット接続を切断 (5)バイトカウンターで「最後」のデータ送受信量をチェック──という手順で行っています。

 結果は以下の通り。Web圧縮を利用しない場合と最大で画像圧縮した場合の送受信量を比べると、倍くらいの違いが出ます。小さい画像がいくつも表示されるWebサイトなので画像圧縮の効果が大きかったようです。

送信 受信 合計
Web圧縮オフ 57Kバイト 202Kバイト 259Kバイト
Web圧縮オン 画像圧縮1 56Kバイト 142Kバイト 198Kバイト
Web圧縮オン 画像圧縮3 52Kバイト 107Kバイト 159Kバイト
Web圧縮オン 画像圧縮5 53Kバイト 85Kバイト 138Kバイト

 文字中心のサイトの場合はどうでしょう。Gooleのトップページからキーワード「M1000」で検索し、最初のページを表示するまでのデータ送受信量も計測してみました。

 結果は以下の通り。文字中心でもWeb圧縮を使うとデータの送受信量が半分以下になりました。

送信 受信 合計
Web圧縮オフ 12Kバイト 33Kバイト 45Kバイト
Web圧縮オン 画像圧縮5 7Kバイト 14Kバイト 21Kバイト

 「トップページのGoogleロゴの圧縮率が大きいのでは」と思う人もいるでしょう。このロゴはWeb圧縮オフだと8.55Kバイト、Web圧縮オンで画像圧縮5だと1.9Kバイトと圧縮率はたしかに高いのですが、データ削減量としては6.65Kバイトですから、このロゴの圧縮だけが有効というわけでもないようです。Web圧縮オンだとデータ送信量も削減されている点がユニークなところです。

 いいことずくめにも見えるWeb圧縮ですが、問題もありました。どうもレイアウトが複雑なサイトだと表示速度が極端に低下するのです。例えば「ITmedia +D Mobile」のトップページはWeb圧縮オフだと1〜2分程度ですべての読み出しが完了しますが、Web圧縮オンだと最低でも5分以上かかるのです。10分以上かかることもありました。

 検証に使ったmixiのトップページでも、Web圧縮オンにすると2倍以上は読み出しに時間がかかります。時間帯の問題かと思って早朝などにも試しましたが、結果はあまり変わりませんでした。

 もちろんすべてを読み出す前でもサイトの閲覧はできますが、この時間のかかり方は尋常ではないし、せっかくのFOMAの高速パケット通信が活かされません。M1000のブラウザ側の問題なのか、Web圧縮機能を提供しているサーバ側の問題なのか分りませんが、これはちょっと不便です。

 いろいろと実験していたらあっという間に今月のパケット送受信量が6Mバイトを突破。パケットパック6000の無料パケット通信量が約36Mバイトとはいえ、「これから本格的に使おう」と思う矢先に少々心細い感が……


前 短期集中ロードテスト「M1000」 次
短期集中ロードテストとは

 ITmediaのライターが、普段使いの携帯電話の模様をレポートする連載記事です。1人のユーザーとして、端末やコンテンツをレポートします。この端末の「○○を調べてほしい」「この点をメーカーに聞いてほしい」といった要望を、ぜひお寄せください。ロードテストの中で、できる限り調査し回答していきます。

読者のニーズが機種を決定

 なお、本ロードテストで使用する携帯機種は、読者の皆様のニーズに基づいて決定します。記事へのアクセス数の増減を目安とし、随時機種を変更していく予定です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年