全国のauショップスタッフが磨きぬかれた接客マナーを競うコンテスト「au CS AWARDS」が、今年も開催されている(関連記事その1、その2)。20日には関東エリアから優秀な成績によって選出された10名が、都内でその接客技術を披露。会場で披露されたセールストークからは、KDDIとしての販売戦略も透けて見えた。
コンテスト会場では、ステージの上にauショップさながらのセットが組まれている。ここに「子離れできないお母さん」「Music命の派遣さん」などの役割を持った客が現れ、ロールプレイング形式でauショップスタッフのスキルを試すという内容になっている。
面白いのは、「auを解約したいのだが」と話す客も登場すること。当然ながら、ショップスタッフはドコモやボーダフォンに移行しそうな客を、あの手この手でひきとめることになる。
例えば「妻がボーダフォンで、自分もボーダフォンの家族割引に契約したいので」と話す客には、「ボーダフォンの家族割引は主回線が割引提供されませんよ」と話すといった具合。auのほうが指定割引できる回線数が多い、など、各スタッフはほかのキャリアと料金プランを比較しながら説明する。
auにないサービスである「テレビ電話をしたい」と話すユーザーをひきとめるための説得も、なかなか興味深かった。「確かに、テレビ電話はいいと思いますが、料金が高くなってしまいますよ。auにはテレビ電話はありませんが、その代わりムービーメールがあります。忙しいときに、わざわざ電話をとらなければならないテレビ電話よりも、保存できていつでも見返すことができるムービーメールのほうが、私はいいと思うんです」
au営業本部の関東統括責任者兼東京支社長、福崎努氏は、4月〜8月はauの販売実績が44万台で、ドコモの43万台を上回ったと話す。その上で、今後も継続して販売に力を入れていくと話す。
「来年は、Suica(対応サービス)がきて、MNP(モバイル番号ポータビリティ)も始まる。Suicaはキーワードになる」
福崎氏は、Suicaは料金をチャージする必要のあるサービスだと指摘し、このチャージを初めて行うタイミングが流動化が高まるタイミングだと話す。「Suicaを見据えたプロモーションを行う予定だ」
同氏はまた、auのおサイフケータイを普及させるカギになるのが、「安心ナビ」だろうとの見方を披露する。安心ナビは「現在位置を確認されるユーザー」と「確認するユーザー」が揃わなければ利用できない。つまり家族単位など、グループで利用することが前提になっているサービスだ。
「安心ナビを利用するには、au携帯を2台持たないといけない。これによって、ユーザーを家族まるごと獲得することができる」と意気込んだ。
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