日本プラントロニクスはBluetoothワイヤレスヘッドセットシステム「Voyager」シリーズを発表した。1つのヘッドセットでオフィスの固定電話とBluetooth対応携帯電話の着信の両方に対応できるのが特徴だ。
Voyagerのフルセットは、「Bluetoothヘッドセット」と充電台も兼ねるBluetooth対応の「ベースユニット」、固定電話に着信があった際に自動で受話器を上げてヘッドセットでの通話を可能にする「ハンドセットリフター」、ACアダプタの4つのユニットで構成される。
主な特徴は2つ。1つは固定電話とベースユニットを接続し、ハンドセットリフターを取り付けることで、オフィスの固定電話宛てにかかってきた着信をヘッドセットで受けられるようになる点。もう1つは、固定電話あての着信にヘッドセットで対応している最中に、Bluetooth携帯電話に着信した場合でも同じヘッドセットで対応できる点だ。「オフィスの電話を親機に、もう1つのBluetoothデバイスと切り替えられるというイメージ」(プラントロニクスの村田浩志社長)。切り替えは、固定電話を切って携帯に切り替えるだけでなく、“固定電話をいったん保留にして携帯の着信に対応し、また固定電話に戻る”といった使い方にも対応している。切り替えは側面にある通話コントロールボタンを押すだけの簡単操作だ。
Bluetoothデバイスは最大8台まで認証登録(ペアリング)でき、Bluetooth機能を備えていれば、携帯だけでなくPCやPDAでも固定電話との接続切り替えが可能。PCやPDAの場合は、例えば「Skype」やWebチャットによる通話と固定電話の通話をハンズフリーでシームレスに切り替えて使えることになる。
「(ヘッドセットに慣れてしまうと)受話器を持つのがおっくうになる」と村田社長。ヘッドセットのニーズが高いコールセンターだけでなく、電話しながらメモを取ったり資料を調べたりすることも多い企業の営業部門などにも幅広く使ってもらえるとVoyagerをアピールした。
Voyagerシリーズはニーズに合わせた3タイプが用意され、標準価格はフルセットの「510SL」が4万4100円、固定電話用ハンドセットリフターなしの「510S」が3万4650円。ヘッドセット単品の「510」は市場予想価格1万800円。510SLと510Sは、同社の販売代理店を通じて販売し、510は大手家電量販店経由で販売する。
プラントロニクスは、米国の老舗ヘッドセットメーカーPlantronicsの日本法人として1996年に設立された会社。2004年秋には、改正道交法導入に合わせてコンシューマー市場向け製品の販売も開始した(2004年10月の記事参照)。
Plantronicsアジアパシフィック・ラテンアメリカ地区セールス&マーケティングバイスプレジデントのホセ・ゴンザレス氏は、アジアパシフィック・ラテンアメリカ地区で同社製品の売上げは好調な伸びを見せていると話す。3月期の決算では、日本がオーストラリアに次いで2番目の売上高だったという。
今後は各地域市場に適した製品を投入するとし、Bluetooth携帯電話の普及が遅れている日本市場では、携帯電話に取り付け可能なBluetoothアダプタの導入も検討しているという。
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