携帯市場はまだ飽和していない──イー・アクセス

» 2005年11月10日 17時59分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 携帯電話事業への新規参入が決まった(11月9日)の記事参照)イー・アクセスが11月10日、会見を行い携帯電話事業への取り組みについて話した。

 同社は1.7GHz帯を使いW-CDMA方式で携帯電話事業を行う。「サービス開始から5年で全国展開し、まずは500万加入を取りたい」と千本倖生会長は意気込む。2007年3月に、東名阪を中心にデータ通信サービスを開始し、2007年度末までに全国をエリア化。音声サービスも始める計画だ。

 どのようなサービスで既存事業者や、新規参入のソフトバンクなどと差別化していくのかは全く明かさなかったが、携帯電話市場はまだ飽和していないという認識で取り組む。

 「(携帯は)シェアが飽和しているから難しいというのは間違っている。日本はまだ普及率70%。既存事業者から見たら飽和しているかもしれないが、これからWiMAXを含めて新しい技術が出てきたときは、過去の延長で飽和だと見るのは間違いだ。2年後を見ていてほしい」(千本氏)

 「音声サービスは基本」だと話すが、勝負したいのは違ったところ。料金面についても、「大事な要素だ」としただけで方向性は示さなかった。

3000億円で全国展開

 全国展開に当たっては、設備投資金額3000億円を見込む。携帯事業会社である子会社のイー・モバイルには、イー・アクセス自身が450億円出資しているほか、TBSが100億円出資している(8月31日の記事参照)。それに続き、「本日吉本興業からも、ブロードバンドケータイに向けたコンテンツサービスをにらみ、出資したいとお話をいただいた。出資を伴った戦略提携を行う。そのほかゴールドマン・サックス含め、数社と資本提携をしたい」と千本氏は新たな増資を明かした。

 吉本興業、ゴールドマン・サックス、その他で330億円程度を確保する。資本として1000億円程度を確保し、「そのほかは借入金を考えている」(千本氏)とした。

 ただし事業自体の具体的な動きはこれからだ。「ネットワークベンダーは選定が最終段階。基地局建設は今はまだ下調べの段階。年明けくらいからスタートしたい。基地局用地もこれから交渉していく」と種野晴夫社長。端末についても(7月13日の記事参照)、「海外国内の両方のメーカーと話をしている」と言うに留まった。

ドコモとのローミングにも期待

 携帯事業の立ち上がり時期において、同社が期待しているのはローミングだ(9月29日の記事参照)。サービス開始から1年程度は東名阪にエリアが限られるため、他地域では他社のネットワークを借り受けてサービスを提供したい考え。

 「使えるのはわずか5MHz。全国でサービスするのは約束するが、当初東名阪でサービスするときに、それ以外の場所についてローミングなど、ある程度フェアな対応をやってもらってもいいじゃないか。ドコモさんの胸を貸してもらって、2年なら2年の間だけ貸してもらえないかということを願って交渉している」(千本氏)

 ただし、「ドコモからは免許を取ってからといわれている。具体的な話し合いはこれから」(種野氏)という状況。ローミング相手としてはドコモ以外は考えていないという。なお、5年後に500万契約という数字はローミングなしとして試算したもの。

「良い5MHz幅がもらえた」

 新規参入向けに割り当てられるのは1.7GHz帯の5MHz幅だが、どの周波数かによって多少の有利、不利がある。イー・モバイルが割り当てられたのは、東名阪の予備バンドに隣接する周波数だ。

新しく携帯電話で利用される1.7GHz帯は、全国で利用できる周波数帯(全国バンド)と、東名阪に限られるもの(東名阪バンド)に分かれる。全国バンドは5MHz×3で、ソフトバンクのBBモバイルとイー・モバイルに割り当てられた。東名阪バンドは、新規・既存に関わらず周波数のひっ迫に応じて割り当てが行われる

 「技術的には(新規と予備の)どちらにも隣接する、極めてありがたいバンドの5MHzをいただけた。ここをいただけたのはラッキー」(千本氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月23日 更新
  1. キャリアショップや家電量販店よりも厳しい現実――街中の「併売店」の“今”を探る (2026年09月21日)
  2. 富裕層向けカードの潮流が変化 アメックス、三井住友、ダイナース、ラグジュアリーカードが狙う“特別な体験価値”とは? (2026年09月22日)
  3. 月40GBになった「ahamo」はどれだけお得? 他社中容量プランと比較、「大盛り」に意外な落とし穴も (2026年09月21日)
  4. BeRealの次は韓国発のVlogアプリ「setlog」がブームに? Z世代の7割超が使う理由と「タイムリミットに追われない」クローズドな魅力 (2026年09月22日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. 「iPhone 18 Pro」で“Face ID認証できない”問題、Appleが対処法を案内 やはり「画面フィルム」に言及 (2026年09月21日)
  7. 「ウエルシア」でお得に買い物する方法 アプリ設定だけで「Vポイント」「WAON POINT」の二重取り【2026年9月版】 (2026年09月22日)
  8. 「マイナポータルアプリ」が「マイナアプリ」へ刷新されて何が変わった? メリットや利用方法を解説 (2026年09月20日)
  9. ドコモでiPhoneのeSIMクイック転送が利用できない不具合 Appleオンラインストアで購入+機種変更手続きが対象 (2026年09月21日)
  10. 「全プラン2000円未満」で攻めるHISモバイル 30GB最安級値下げと「年4GB海外無料eSIM」の狙い (2026年09月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー