薄いけど丈夫なんです──大画面液晶の「D902i」が生まれるまで(2/2 ページ)

» 2005年12月08日 19時54分 公開
[房野麻子ITmedia]
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 「デザインのテーマとして、最初に『スムーズ』という言葉を掲げた。ただ薄くするだけなら、部品配置の一番効率的なところをとればいいが、デザイン的にもすっきりさせたかった。例えばサイドのボタンにしても、位置がデコボコしていてもかまわないのであれば、もっと効率はよくなるが、デザインはとんでもないことになる。サイズは小さく、持ちやすくなるようにアールを付け、なおかつ効率もよく──ということで設計側とデザイン側の打ち合わせには、いつも以上に時間を取った」(谷田川氏)

 デザイナー側と設計側の意図や方向性がまとまったことも、端末のデザインに大きく貢献したとはNTT事業部の谷田貝篤志氏。

 「設計とデザイナーの間に確執があるのは普通のこと(笑)。今回はその中でも、ある程度、方向性が一致した」(谷田貝氏)

 「『もうそろそろスライドでガツンといかないとマズイぞ』というような共通認識が強くあった」(谷田川氏)

D902iは、液晶画面側とキー側が正面から見て同じ形になった。「従来のモデルは、画面側の方がちょっと小さかったり、デコボコがあったりした。全周が上下ぴたっと同じ形になっているのは今回が初めて。最初から同じ形にすると宣言していて、それに一番見合う構造で設計してもらった。常に意識する必要のない部品はなるべく目立たなくして、全体的につるんとした形でノイズのないスムーズなものを作りたかった」(谷田川氏)


液晶画面側ボディの裏面も、前モデルよりすっきりした。「最初は効率化を優先していたので、もっとガクガクと階段状になっていて見た目が悪かった。ただ、設計側と交渉しているうちに、あちらも『これはないな』という気持ちになったらしく、努力してくれた。カメラの裏部分だけはうまくいかず残ってしまって、デザイナーとしてはすごく悔しい(笑)」(谷田川氏)


「デザインを単純にこぎれいにするのではなく、ちょっと楽しい感じを出したいと思い、ソフトキー周りと裏面のFOMAロゴ部分に丸と丸をつなげた波形のレリーフを施した。この遊び心とスムーズのコンセプトを象徴する色としてプレミアムイエローのカラーを採用した」(谷田川氏)

機能主義ではないスライドタイプのデザイン

 スライドスタイルは折りたたみ型端末に比べて、十字キーやソフトキー、終話/発話キー、液晶画面などさまざまな機能的要素が表面に表れる。そのせいで、どうしても機能的なイメージが先行しまうのが悔しかったと谷田川氏は振り返る。

 「スライドタイプもデザインで見せたいという思いから、カラーや形、ノイズをなくすといった点に気を遣っている。また、画面の占める割合が大きいので、画面もボディの一部と考えて、端末やカラーの雰囲気と画面のマッチングにも気を使っている。大画面に表示する待受画面を『着せ替え的要素』ととらえており、従来モデルよりもプリセット画面の吟味にも時間をかけている」(谷田川氏)

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