ITmedia Mobile 20周年特集
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» 2005年12月27日 23時34分 公開

3Gの成熟で進む、携帯のセグメント化と多様化2005年の携帯業界を振り返る(1)(2/5 ページ)

[聞き手:房野麻子,ITmedia]

斎藤 デザイナーの発言権ということでいうと、どうもメーカーの端末作りを聞いていると、先にデザインありきではなく先に要素技術ありきで、「こんな機能を入れたいんで、形にして」とデザイナーに話がくるような作り方をしているところがまだ多い感じなんです。先にデザインありき、で開発された端末だと、今年で有名なところではG'zOne TYPE-Rですが、パナソニックの端末も形や薄さがある程度先に決められていて、そこから詰めていくようなんです。「P902i」ではカメラ機能の優先順位がちょっと低めになったのは、デザインが先という部分があったからだと思うんです。

神尾 端末の開発においては、いわゆる技術と商品企画とデザインという、大きく3要素があります。その中で今までちょっと下にいたデザインの部門が上がってきて、この3部門がうまく協調してきて動けるようになるといいのかな、と思っています。

斎藤 じゃあ、第2期のキーワードとしては何を上げますか? 第1期は「デザイナー」、もうひとつ「着せ替え」がありましたが。

神尾 デザインにおける「アイデンティティ」だと思っています。例えばクルマだとフロントグリルの部分で、いわゆる「キドニーグリル」など、メーカーがどこかしら「このデザインはウチのもの」というものを打ち出しています。それと同じように、メーカーのブランドとデザインのアイデンティティが一体化してきたら第2期かな、という気がしているんです。アイデンティティがある中で、それぞれ革新的なデザインがちゃんと生まれてくる、というような状態ですね。

斎藤 なるほど。でもメーカーのアイデンティティシンボル、つまりアイコンって、クルマ以外ではあんまり見られないようですが。

神尾 クルマ以外では……うーん。

斎藤 クルマでも日本車にはないですね。

神尾 少ないですね、外国車が多いです。ただ、日本車メーカーでもトヨタ以外は、デザイン上の共通言語を模索し始めています。トヨタの場合、ラインアップが多すぎるので、デザインの共通化はあえてやっていない感じです。

斎藤 なるほど。ただ、アイコンを盛り込むことになると、デザイン上の制約が出てきますよね。キドニーグリルにしても、BMWのサイドラインにしても、Cピラーの形にしても。

神尾 難しいテーマだと思うんですよ。クルマの世界ではデザインにコストをかけられるから、それだけ難しい注文ができるのだとは思います。でも、家電なんかを見てても、例えばオイルヒーターで有名なデロンギの製品は、世代や種類が変わってもやっぱりデロンギなんですよね。アップルの製品も、共通のアイコンを強調しなくても、どれもが「アップルをしている」わけですよね。

 共通アイコンは確かに必要なのですが、それを目立たせるのではなくて、デザインの総体としての「メーカーらしさ」をきちんと打ち出せないといけない。それこそが、アイデンティティとしてのデザインだと思います。

斎藤 そうですね。

神尾 だから、日本のメーカーがあまり気にしないだけで、できないわけではないと思うんです。全然違うものなんだけど、パッと見てこのメーカーのものだってわかるような、そういうアイデンティティをうち立てる、共通性を持たせながら、ちゃんとデザインも変化させていく…というような難しい作業ができるようになってくると、メーカーのブランドとデザインが一体化してくると思うんです。

斎藤 ちょっと機能寄りなんですが、折りたたみスタイルってNECのアイコンでしたよね。パナソニックはサイドのワンプッシュオープンボタンがアイコンになっているかもしれない。ソニー・エリクソンは最近、ストレートが彼らのアイコンだし、三菱はスライド。

ツーカーが投入したシンプルケータイがヒットしたことから、auもドコモも同様の端末を投入した。左からツーカーの「ツーカーS」、auの「簡単ケータイS」、ドコモの「らくらくホンシンプル」

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