ITmedia Mobile 20周年特集
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» 2005年12月27日 23時34分 公開

3Gの成熟で進む、携帯のセグメント化と多様化2005年の携帯業界を振り返る(1)(5/5 ページ)

[聞き手:房野麻子,ITmedia]
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携帯電話ならではのカメラを!

ITmedia これからしばらく端末の機能について聞きたいと思います。以前の読者アンケートでは、「カメラを重視しない」という人も約6割いました。カメラ機能は来年、どうなっていくでしょう。高画素化が進むのか、それとも……

斎藤 セグメント化の流れで、カメラが必要なモデルは一所懸命頑張る、いらないモデルはそもそも付けない、普通のモデルは一応付いている、という流れが加速するのだと思います。正直、カメラ特化型モデル以外は「130万画素CMOS、AFなし」というのが非常にメジャーなスペックかなと思います。

神尾 使いやすさの部分や撮りやすくする部分などで、まだやるべきことは残っていると思う。その例では、「N902i」の静止画手ブレ補正でしょう。あれが良いか悪いかは別として、少なくとも画素以外の部分で見るところは確かにあると思います。

 個人的に言っているのは「QRコードをなんとかしろ」ということ。ファインダーの中にQRコードを入れたら、自動的に読み取るモードに移行せよ、と。「そのくらいできるだろ、やろうと思え」と。もしくは専用のボタンを付けるとか。とにかく、性能を求めるのではなくて、今あるカメラ機能をもっと使いやすくする方向へ努力の矛先を向けるべきなんです。そうすればカメラはもっともっと使われるようになる。

斎藤 カメラは悩ましいところがあって、「携帯電話ならではの機能を実現する」のを目指す方向と、「デジカメの代わりにする」という方向と2つのベクトルがある。デジカメの代わりにするという方向でこの2、3年は進化してきましたが、こっちだけじゃなくなったってことでしょうね。でも実は、デジカメ代わりに使うという方向でもまだまだ進化する余地はあって、海外では「700万画素光学3倍ズーム付き」という、カメラに携帯を付けました、というようなのがある(笑)。こういうのがあってもいいのかな、とは思います。

ITmedia 携帯電話ならではのカメラの楽しみ方もあります。例えばモブログのように、撮ったものをすぐメールで送るというようなものは、携帯電話のカメラでなくてはできないことです。でもそういう風に使うと高画素は邪魔なだけなので、小さい画素数でいいからキレイで撮りやすいカメラというのを目指してくれるといいなあ、と思います。

神尾 使いやすくする方向での進化ですよね。

斎藤 コミュニケーション用メディアとかね。今はWINがアップロードも定額でできるようになっています。かたやWebでは「Flickr」のようなサービスが出てきている。写真をローカルストレージに保存しておくのではなく、撮ったさきからアップロードできるようなものって、写真を使ったコミュニケーションのサービスとして、面白いと思うんです。夢を語ってしまうと、ローカルストレージなしで端末も安く作れて、そのかわり撮ったらひたすら通信発生、そして画像は全部オンラインで保管してくれる。

神尾 それだったら、ひとつの街を作って、撮った場所の位置情報をGPSで取り込んで、みんながどんどん写真をアップロードするんですよ。そうしたら、街全体のデジカメ写真ができますよ。

ITmedia それはケータイならではの楽しみ方だと思います。やっている人はもうやっているんですが、ただ一般的になっていません。

神尾 1機種か2機種は「デジカメに対抗するぜ!」といった気概を持ったメーカーがいてもいいと思うんです。でも、みんながやるべきではない。みんながやるべきは、携帯電話ならではの使い方です。なんだかんだいってカメラが付いている機種が多いんですから、それがもっと使われるように、使いやすくしたり、新しい使い方を考えたりという方向。その方向での競争はまだまだしてほしい。それは別にデバイスを良くするという方向ではないわけです。

神尾寿

通信・ITSジャーナリスト。IT雑誌契約ライターを経て、大手携帯電話会社の業務委託でデータ通信ビジネスのコンサルティングを行う。1999年にジャーナリストとして独立。通信分野全般に通じ、移動体通信とITSを中核に通信が関わる分野全般を、インフラからハードウェア、コンテンツ、ユーザーのニーズとカルチャーまでクロスオーバーで見ている。ジャーナリストのほか、IRICommerce and Technology社レスポンスビジネスユニットの客員研究員も努める。

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