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» 2006年01月30日 15時11分 公開

Wi-Fiアライアンスに聞く、固定・携帯の融合とWiMAX(2/2 ページ)

[末岡洋子,ITmedia]
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 無線技術的にはそれほど難しい問題ではありません。これを小さな携帯電話でどう実現するか、これは1つのテーマです。その場合、ユーザーインタフェース(UI)も問題になるでしょう。ユーザーは複雑な操作をしたいとは思っていません。UIが直感的ではなかったために、せっかくの機能がほとんど利用されないままというのは、よく指摘される問題です。

 電話機の世界は100年以上前、複雑な処理をダイアルを回すというシンプルな操作で実行することを思いついたわけですが、これはまだ開拓の余地がある気がします。アクセスを容易にするための部品は揃っています。タッチパネル、ボタン、それにグラフィックスとテキストなどです。これをどのように活用するかが重要です。携帯電話は急速に広まりましたが、まだ歴史は浅く、さまざまな改良の可能性があると思います。

ITmedia Wi-FiはノートPCから携帯電話にも搭載されるようになりました。今後、どのような分野に入っていくのでしょう?

フロスト氏 Wi-Fiチップは価格が下がったこともあり昨年、1億2000万個が出荷されています。いまではテレビやゲーム機、デジタルカメラ、ロボットにも搭載されています。車や電車にアクセスポイントが設置され、一種のメッシュネットワークを構築すれば、どうなるでしょう? さらに、伝送速度が向上すると、さまざまなことが可能になります。HDTVなどの利用につながり、新しいアプリケーションも登場するでしょう。

 なお、2010年には、全Wi-Fi端末の5〜10%がWCC分野の端末と予想されています。

ITmedia これまで通話料から主な収益を得てきたモバイルオペレータは、収益構造の変化を迫られているのでしょうか?

フロスト氏 例えばインターネットの場合、通信そのものは無料ですが、ベストエフォートが前提です。ユーザーは品質を保証するものには、対価を払います。私の考えですが、オペレータの強みはカバーエリアと保証された品質です。私の住むドイツでは、カバーエリアが十分ではなかったオペレータは顧客数を拡大できませんでした。この点で、ローカルな通信事業者や小規模なプロバイダと比較して、大規模なオペレータには大きな強みがあるといえます。

 もう1つは、さまざまなサービスを展開できる点です。オペレータは、ユーザーのセグメントに合わせて広範なサービスを揃えることができます。これは、非常に複雑なことです。小さな企業は新しいニッチ市場のニーズは満たせますが、マスマーケットのニーズを満たすという点は、オペレータが得意とすることです。

 課金モデルでは、HSDPA/UMTSとWi-Fiを別々に課金するのではなく、合計の容量に応じて価格を設定する方が、ユーザーにとってはメリットがあると思います。

ITmedia WiMAXが少しずつ進行していますが(2005年7月の記事参照)、Wi-FiにとってWiMAXは脅威となるのでしょうか?

フロスト氏 WiMAXはまだ概要が明らかになっていないので、何ともいえません。5年後、WiMAXがWi-Fiのシェアを多少侵食することは考えられますが、無線機器はサイズや価格、技術面で常にトレードオフがあります。20ドルのWiMAXチップセットか、0.5〜1ドルのWi-Fiチップセットか、となるとWi-Fiを選ぶ場合もあるでしょう。

 WiMAXが利用する周波数は高く、周波数が高いことは通常、範囲が狭いことを意味します。家の中で利用する場合、壁などが障害となり、電波が届かないことも考えられます。どの周波数帯を割り当てるかが国ごとに異なることが、チップセットを高額にしているとも考えられます。

 Wi-FiとWiMAXは確かに競合する技術ですが、利用に適した場所は異なることも考えられます。こうしたことからWi-Fiは今後も大きな市場シェアを持つと予想しています。

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