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» 2006年03月13日 12時00分 公開

CeBIT 2006:欧州のシンプルケータイはこんなスタイル――「50歳からのGSM携帯」

最新の携帯が並ぶCeBIT会場の一角に、「大柄・単色画面・単機能」の端末が展示されていた。簡単操作と安価を武器にしたemporiaの欧州版「らくらくフォン」だ。

[山根康宏,ITmedia]

 最新のハイエンド携帯が並ぶ「CeBIT 2006」会場で、豪emporiaは高齢者向けの簡単GSM携帯「emporia Life」を展示していた。本体はスライド式の形状をしており、55×112×26ミリ、155グラムと若干大きめのサイズながらも大きいキーパッド、大きいディスプレイ、見やすいオレンジ色のモノカラー液晶を搭載。着信音量も大きめでバイブレーションも備えており、視力や聴力が衰えてきた高齢者にも扱いやすい作りとなっているという。携帯電話としての機能も「通話とSMSのみ」と非常にシンプルだ。

emporia社のブース。「GSM for the 50+ Generation」のキャッチフレーズが目立つ
emporia Life。サイズは若干大柄、スライド式だ。各種ボタンは表記も大きく使いやすい。待ち受け画面はそのまま電話帳の一覧となる

 操作方法は至って簡単。emporia Lifeには「メニューキー」は存在しない。スライドを閉じた状態ではディスプレイに電話帳リストが表示されており、矢印キーの上下でかけたい相手を選ぶだけで発信できる。閉じた状態のまま終話キーを押すとツール画面表示となるが、「着信音設定」「アラーム設定」「電卓」など、シンプルな機能のみが表示される。

 また本体をスライドさせた場合は、数字キーを押して通常の発信ができるほか、終話キーを押すとSMSメニューが現れ、SMSの送受信が可能になる。「数字キーを使うのは発信かSMSを利用する場合のみ。だから本体をスライドさせたときは通話かSMSのみが利用できる」というわけだ。

 さらにSMSを受信すると、自動的にSMS発信者の電話番号がemporia Lifeの電話帳に保存される。高齢者が電話帳を一件一件入力せずとも、電話帳に登録したい相手からSMSを送ってもらうだけで電話帳に番号を保存できるわけだ。入力操作を不要にするこの機能は、実際の使い勝手を考えた優れたアイデアと言える。

 ほかにも背面の緊急ボタンを押すと、あらかじめ登録しておいた電話番号にワンプッシュで発信ができたり、充電池が切れても単三アルカリ電池3本で数分間の駆動が可能だったりと、便利な機能が備わっている。

(左)ディスプレイは2.7インチの大型。解像度は128×160ピクセル、6行表示のため表示文字はかなり大きく見やすい。(右)赤いボタンは緊急ボタン。バッテリーは3.7V/1000ミリアンペアのものが付属するが、外出先で万が一電池切れとなってしまっても、市販の単三アルカリ電池3本で数分程度の利用が可能とのこと

 同社社長のアルバート・フェルナー氏は「高齢者が気軽に購入でき、かつ簡単に操作できる端末が市場には存在しない」ことが開発動機だと語った。ヨーロッパには65歳以上の高齢者が約6500万人いるが、そのうち携帯電話を利用しているユーザーは「わずか17%」(同氏)。このため高齢者向け携帯という製品は将来性も含めて有望な市場であるという。

 現在市場には、安価で簡単機能のシンプルなエントリー向け端末が多数存在している。しかしそれらのいずれもが最新型であるため、本体もディスプレイもキーパッドも小さく、高齢者には操作しにくいのが実情だ。emporia Lifeはサイズを大きく、操作もさらに簡単にし、デザインも「お年寄りが人前で堂々と使えるような、スタイリッシュなものにした」(同氏)。実物を手にしてみると確かに「高齢者向け商品」とは思えない、ちょっとしゃれた雰囲気を感じる。

 価格は単体で199ユーロが予定され、通信事業者によっては契約込みでさらに安価に提供される予定だ。今年5月にヨーロッパで発売し、今年は50万台、来年は100万台の売り上げを目指す。

emporia Lifeを手にする同社社長のAlbert Fellner氏。「お年寄りが簡単に、そして楽しく使える携帯電話を提供したい」。こちらが日本からの取材と伝えると「日本には『らくらくフォン』などがありますね」と、海外の高齢者向け携帯電話についても熟知しているようだ

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