NTTアドとマイボイスコムは、「子供の安全と携帯電話」について、2006年3月9日から11日までWeb上でアンケート調査を行った。有効回答は2021件で、内訳は小中学生の子供を持つ親1216件と中学生400件、小学校4〜6年生405件となっている。親と中学生はインターネットコミュニティ「MyVoice」の登録メンバーで、小学4〜6年生については、調査対象の親を通じて回答を依頼した。
調査の結果、子供を持つ親の多くが特に不安を感じるのは「学校や塾の行き帰りに犯罪に巻き込まれること」「学校や塾などの行き帰りに事故にあうこと」であるという実態が浮かび上がった。小学校1〜3年生の親の70%以上、また中学生の親でも50%以上が不安を感じているという。
実際に犯罪や事故への対策を講じている親は全体の8割で、小学校1〜3年生の親に限れば9割が対策をしているという。安全対策の中で最も多かったのは「防犯ベル・ブザーを持たせている」という回答で、全体の45.5%、小学生1〜3年生の親の71%に上った。「携帯電話・PHSを持たせている」との答えは、子供の年齢が高くなるほど多くなる。小学生の親は13%にとどまっているが、中学生の親になると約3倍の38.4%となった。
親全体で見てみると、子供に携帯電話を持たせていると答えたのは28.9%。しかし残りの7割強の親の中で、持たせたいと答えた人は65%いた。内訳は「すぐに持たせたい」が6.6%、「いずれ持たせたい」が58.4%、「持たせたくない」は35%。
回答に応じた家庭での携帯電話の所有状況は、小学校1〜3年生で8.9%、小学校4〜6年生で22.2%、中学生では55.7%。携帯電話を持たせるようになったきっかけは「塾や習い事に通い始めたので連絡用に」「学校の行き帰りなどが心配なため」という答えが多い。これは携帯電話のメリットとして親、中学生、小学生のいずれもが「緊急時に連絡が取れる」「どこにいても居場所が確認できる」ことを挙げていることからも見て取れる。
ただ中学生になると、友達とのコミュニケーションツールとして、子供のほうから欲しがるケースも増えるようだ。中学生は「いつでも友達と会話ができる」ことや「友達との仲が深まる」ことを、親と会話できたり居場所が連絡できること以上に携帯電話のメリットと考えている(2005年7月28日の記事参照)。親としては、「使いすぎ」「親の把握できない交友関係ができる」「出会い系やアダルトサイトがらみのトラブル」といった、子供に携帯電話を持たせることにより生じる不安も抱えることになる。
これらを踏まえて、携帯電話にほしい機能を聞いた結果、親側は「アクセスできるサイトの制限」や「ネットやメールの使用量・時間の制限」「電源を切ると同時に位置情報を送る」「子供が勝手に設定を変更できないようにする」といった点を挙げた。一方中学生は「パスワードによる保護」「危険なサイトに最初からアクセスできないようにする」という答えが多かった。また、ゲームに対するニーズが子供側には高く、「欲しい」と答えたのは小学生で6割、中学生でも4割おり、不要と考える比率が高い親とは対照的だ。また、子供側は端末のデザインや色が選べる点も重要だと考えている。
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