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» 2006年04月20日 22時21分 公開

NECに聞く「SIMPURE N」(前編):アークラインでなく「Nライン」――SIMPURE Nが打ち出す新デザイン (1/2)

NECが伝統のアークラインではなく、新デザイン「Nライン」を打ち出した。なめらかなラインとひきかえに、機構設計者は工夫を迫られたというが?

[杉浦正武,ITmedia]

 「コンパクトでシンプル、そしてスタイリッシュな携帯を」――。NECのモバイルターミナル事業本部、商品企画部マネージャーの山田義昭氏は「SIMPURE N」の開発コンセプトをこう話す。このコンセプトを実現するために、NECのデザイン担当者と機構設計担当者は工夫を重ねた。

Photo NEC製「SIMPURE N」。RED、WHITE、BLACKの3色で展開される

 NTTドコモは4月25日から、FOMA最小をうたう新機種ことSIMPURE Nをリリースすると発表した(4月20日の記事参照)。同製品を手がけたNECの開発チームに、苦労した点を聞いた。

デザインのポイントは「Nライン」

 SIMPURE Nを手に取ると、まずそのなめらかな曲線に目が行く。端末を開いた状態で背面部(上ケース)と底面部(下ケース)の側面のラインがピタリと重なり、丸みを帯びた「N」に見える一本の線を作り出す。NECデザイングループ3 チーフデザイナーの松本和也氏は、これを「Nライン」と呼ぶ。

Photo 描くラインは、くずして書いた「N」に近いイメージ。見方によってはSIMPUREの「S」にも見えるが、これは「意図したものではない」(笑)と松本氏

 「NECといえば『アークライン』が有名だが、これはアークラインではなくNライン。NECの“N”と、SIMPUREという新シリーズ、つまりNewプロダクトを表す“N”、そしてグローバルな端末として日本の美を発信していくという意味で、NIPPONの“N”。これら3つの思いを込めている」

 これがデザイン上の大きな特徴となるが、実現するまでにはいくつか課題もあったようだ。モバイルターミナル部の商品開発部主任、安井賢一郎氏は「普通の携帯ではフラットなところが、曲線になっている。部品の実装には苦労した」と話す。

 例えばSIMPURE Nの背面カメラを見ると、Nラインのカーブが始まる地点に配置されている。曲線を壊さないように、いかにカメラモジュールを載せていくのか。「それこそ100分の1ミリの単位で位置を調整している」という。同部の技術マネージャー、長峯康夫氏もアンテナモジュールの配置に苦労したと話す。

 「SIMPURE Nには、FOMAのアンテナとGSMのアンテナを載せる必要がある。しかしアンテナがヒンジ部近くで出っ張って、Nラインを損なうことはできない」。最終的には、底面側の下ケースに最小限の領域を確保して収納したという。

Photo カメラモジュールは、微妙にNラインのカーブにかかっている。この位置どりに開発者が苦労したとは、なかなか気づきにくい

与えられた幅は「42ミリ」

 安井氏と長峯氏はまた「端末スペックよりも部品を実装できる空間のほうが狭い」という条件とも格闘した。「SIMPURE Nの横幅は44ミリ。これでも通常の端末よりやや狭いが、実際に部品を入れられる幅はさらに2ミリ狭く、42ミリだった」

 理由はやはり、Nラインにある。

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