最新のSonicStageであるSonicStage CPは、AACにも対応している。ユーザーはATRAC3/WAV/MP3/WMA/AACといった楽曲ファイルを、SonicStage CPを通じてATRAC3に変換しメモリースティックPRO Duoに送り込むことが可能。このメモリースティックをW42Sに挿すことで、楽曲を再生できる。ただし、上記データはW42S本体には保存できない仕様になっている。ちなみにauの楽曲転送ソフト「au Music Port」から転送した楽曲データならば、W42Sの内部メモリに保存可能。このあたりは、なかなかややこしい。
異なる方法で取り込んだライブラリの曲を、一括してプレイリストに登録できるのだろうか。これは残念ながら、au Musicライブラリの楽曲だけしかプレイリストで再生できない。M.S.Music ライブラリの曲と混在できない点は残念だ。
既報のとおり、内蔵メモリは1Gバイトで、外部メモリは2GバイトのメモリースティックPRO Duoに対応。発表済みの4Gの製品にも、対応する見込みだ。画像やアプリなどは別途「フレキシブルデータフォルダ」が用意されており、ここに約38Mまで保存できる。
au Music Playerで楽曲を再生中、クリアキーを押すとau Music Playerは終了する。ただしシャトルプレイヤーは起動し続けているから、音楽は止まらない。この状態で、メールキーをクリックすればメール作成、EZwebブラウザやPCサイトビューアーを立ち上げればネットコンテンツにもアクセスできる。つまり、楽曲のバックグラウンド再生に対応する。
電話の着信があると、音楽に着信音が割り込んできて、音楽は一時停止する。通話をひとしきり終えると、曲が一時停止していた場所から再生される。メールの場合は、着信音が鳴り終わって、また音楽再生に戻るといった仕組み。ユーザーは音楽を聴きつつ、メール画面を操作して返信作業を行える。
このようにバックグラウンド再生を続けていると、ディスプレイには当然その作業中の画面が映っている。だがこのとき、ミュージックシャトルを操作すると画面の一番上の行に音楽情報が表示される。通常は「電波状態」「電池残量」などが表示されている領域で、ここに操作に合わせて「音量調整したときの、音量状態」「いま視聴している楽曲名」などを表示させられる。KDDIはこれを「スマートバー」と呼んでいる。
W42Sの音質は、どの程度のものなのか? これは残念ながら写真で解説できないが、説明員は音質向上のための工夫をいくつか施していると説明する。
1つは、音源チップ「AudioEngine」を搭載していること。またバーチャルサウンドシステムである「DVX」を採用しているため、3Dサラウンド環境を実現できる。前述のとおりイコライザを搭載するほか、「harmonic tune設定」によって圧縮録音で失われた高音域をデジタル処理で補完する。このため「高音域がつぶれてしまっても、それをシミュレーションして再現できる」。
イヤフォンは、ウォークマンケータイだけに「ウォークマンのイヤフォンを用意した」。具体的には、「ウォークマンスティック」と同じイヤフォンを同梱しており、中高域の音をよく再現できるという。
音楽機能とは直接関係ないが、W42Sのメニュー画面は「ビートメニュー」と呼ばれるグラフィカルな見せ方をしており、特徴的だ。下キーを押すと光の集まりが下方に移動したり、逆に上キーを押すと上方に光が動いたりして、見ていて面白い。
このビートメニュー、特定の季節にはイベント画像も表示されるという。「例えば7月7日には星が現れたり、クリスマスにはツリーが現れたりといった具合」(説明員)。ソニーはこれまでもFlashベースの「ドラマメニュー」などを提案してきたが(2005年8月12日の記事参照)、W42Sには音楽ケータイの世界観を備えたユニークなインタフェースを用意している。
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