CDMA 2000だけでなく、W-CDMAにも搭載されるQualcommチップ:BREW 2006 Conference

» 2006年06月02日 02時54分 公開
[林信行,ITmedia]

 米Qualcommといえば、au携帯で採用されているBREWテクノロジーの開発企業としておなじみだ。このためCDMA 2000に重点を置いた会社だと思われがちだが、実際には同社はW-CDMAとCDMA 2000の共通項であるCDMA技術のパイオニアであり、どちらの技術にもコミットしている。

 「BREW 2006 Conference」に先立ち、Qualcomm本社で近況を報告するため行われた「BREW 2006 Corporate Day」では、QualcommのW-CDMAサポーターとしての立場が説明された。講演を行ったのはQualcomm CDMA Technology部門のプロダクトマネージャー、サンデップ・パンジャ氏。

あそこにも、ここにも、Qualcommチップ

 Qualcommのチップを使って開発されたW-CDMA製品は、既に80個以上にのぼっている。米国で業界最薄となる厚さ14.9ミリのSamsung「Z510」は「MSM6250A」チップを採用して開発されたものだし、「Z500」にも「M6250」が入っている。日本でも、ドコモのGPS搭載携帯である「SA700iS」は、「MSM6250」を搭載している(2003年11月17日の記事参照)。

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 既に34のメーカーが製品をつくっているが、Qualcommチップ採用のW-CDMA端末が本格的に広まり始めたのはこの半年ほどのことだという。実際、3月と4月だけでこのうちの半数近い36の新製品が発表されている。この中には、ボーダフォンの「903T」やドコモのキッズケータイこと「SA800i」も含まれる。

 現在、QualcommのW-CDMAビジネスでの特徴はエントリーレベル向け(WEDGE)の「MSM6245」からWEDGEマルチメディア端末向けの「MSM6255A」、3.6MbpsのHEDGE(HSDPA+EDGE)端末用の「MSM 6260」、7,2MbpsのHEDGE端末用の「MSM6280」といった幅広いラインアップを揃えていることだ。しかも、それらの間でピン互換性などを保っている点がポイント。携帯メーカーは同じ製品技術を、キャリアや市場に合わせてカスタマイズできるという。

 そのQualcommラインアップで、現在頂点に立っているのが、今年中にサンプルが始まる「MSM7200」だ。これは初のHSUPA対応チップで、VoIPや他社製OSにも対応している。Qualcommは最近、同チップをWindows Mobileに対応させることを発表している。

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 もちろん、同じチップセット上でBREWのアプリケーションを利用することもできる。MSM7200を含む7000番台のシリーズは、最大800万画素のカメラ、毎秒30フレームのVGA動画、MP3やAAC+、3Dサウンド、ATIのチップを使った先進的3Dグラフィックス表現、テレビ出力、サードパーティーOSをサポートする。その一方で、さまざまなチップを統合することで携帯電話内での必要容積も41%圧縮するとうたっている。

 低価格携帯でも、90ナノプロセス2チップSiGe構成のMSM6250A(180MHz ARM技術で130万画素カメラとBluetooth、GPSに対応)やMSM6250(1.46MHz ARM、130万画素、BluetoothとGPS対応)から、65ナノプロセス1チップRF CMOS技術を採用したMSM6260(226MHz ARM、300万画素カメラ、HEDGE、GPS対応)やMSM6245(180MHz ARM、200万画素、WEDGE)に移行。これにより大幅に製品価格を落とす。

 W-CDMA市場は、QualcommにとってCDMA 2000よりも競合が激しい市場となる。しかし同市場を語ったパンジャ氏は、「Qualcommには2つ強みがある」と語る。「1つはテクノロジーリーダーシップ。先端技術の採用のスピードや、テクノロジーを1チップに統合していくことにかけてのリーダーシップだ。そしてもう1つは、これまで公約通りに製品を出荷してきた実績だ」とした。

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