“さりげないシンプルさ”が意味すること──開発陣が目指した「P702iD」への思い(1/3 ページ)

» 2006年09月11日 14時01分 公開
[太田百合子,ITmedia]
photo パナソニック モバイルコミュニケーションズ商品企画グループの富澤美玲氏(左)と、開発営業部の安藤希氏(右)

 パナソニック モバイル製端末「P702iD」は、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏と同社、NTTドコモのコラボレーションモデル第2弾だ。ベーシックで飽きのこない「ケータイの原型」を目指した前モデルのデザインコンセプトを継承しながら、進化したヒカリドロップス機能や着うたフルへの対応など、機能面の強化も果たした。

 前モデル「P701iD」は、あえて角張ったスクエア型デザインを用いるなど、シンプルなフォルムがユーザーから高い評価を得た端末だ。その後継機種の開発にあたってデザイナー佐藤卓氏から提案されたのは、“さらなるシンプルさの追及”だった。

 「シンプルさと機能性を両立させ、さらに楽しさを加味したケータイを目指した」というパナソニック モバイル開発陣に、このP702iDがどのように進化したのか、どのようなこだわりを盛り込んだのかを聞いた。

photophoto グラフィックデザイナーの佐藤卓氏と同社、NTTドコモのコラボレーションモデル第2弾となる「P702iD」。スクエア形状のスクエアブラックとスクエアホワイト、ラウンド形状のラウンドシルバー、ラウンドコーラルの2形状4色で展開する

フラットなサブディスプレイ&カメラを実現

シンプルさを追及するためとはいえ、サブディスプレイやカメラといった機能は省けない

photo 中央が今回のP702iDの開発にあたって佐藤卓氏から提示されたデザインイメージ。前モデル(左)から出っ張りをなくしたフラットな形状を目指した結果、サブディスプレイをカメラパネルと一体化させた現在のデザインに進化した(右)

 当初、デザイナーの佐藤氏が思い描いたイメージは、P701iDからサブディスプレイとカメラを取り除いてしまった、究極にフラットなデザインだったという。

 「P701iDの成功をふまえ、次のモデルでもそのデザインコンセプトを継承するというのは佐藤氏と我々の共通認識でした。ただメーカーとしてはシンプルさを追及するためとはいえ、サブディスプレイやカメラといった機能は省けない。機能的な引き算をせずに佐藤氏の望むフラットなデザインを実現するにはどうすればいいか。それが今回のプロジェクトの最大の課題でした」(安藤氏)

 試行錯誤の末にその解決策として導き出されたのが、黒いカメラパネルに有機ELで文字を表示するという方法。カメラと一体化することでサブディスプレイの存在を意識させずに「何もないところに文字が浮かび上がるようなイメージを目指した」という。

 「佐藤さんのデザインイメージに近づけようと、カメラパネル部分に本体と同じ色、素材を使うことも検討しました。しかし白の場合はどうしても文字が見えにくい。また構造上、パネル部分と本体を完全に一体化することはできない(継ぎ目ができてしまう)。それならばいっそ、カメラパネルは黒で統一しようということで、このデザインに落ち着きました」(富澤氏)

 カメラパネル部分につやのある黒のグロス素材を用いたため、本体部分はこれと差別化するイメージを持たせる目的でつや消し(マット)の素材を採用。P701iDでは、スクエア型はグロス、ラウンド型はマットというように形状に合わせて素材を変えていたが、P702iDではどのカラーもマット調のもの採用した。

ボタンも含めて素材を統一し、一体感のあるデザインに

 「P701iDでは、“スクエア”はデザインに敏感な層で“ラウンド”は保守層と、ターゲットをある程度想定していました。そのため、ラウンドはボタン部分にも色を付け、分かりやすさを優先したものになっています。しかし、実際にP701iDユーザーのリサーチ結果を調べると、必ずしもラウンド イコール 保守層ではなく、デザインに敏感な女性がラウンドを選んでいるケースもあることが分かりました」(安藤氏)

 前モデルでは、スクエア/ラウンドとも黒/白/コーラル、2形状3色のカラー展開だったが、P702iDではスクエア形状を黒/白の2色、ラウンド形状をコーラルと新色のシルバーの2色に変更した。シルバーを加えたのは「ビジネスユーザーなど、より広い層に使ってもらいたい」という思いからだ。

 一方で、デザイン面では前モデルのようなスクエアとラウンドの差別化は行わず、キーの文字色はすべてモノトーンで統一。加えてボタンの素材や色も本体に合わせたものとし、より一体感のあるデザインを目指した。

photophoto 前モデルP701iDでは形状別にキーの書体を変え、キーの素材もクリア状のものを採用していた(左)。一方P702iDでは、スクエア、ラウンドともに文字書体をモノトーン統一し、本体と同じ色/素材のボタンを採用した(右)
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  2. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  3. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  8. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  9. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー