“さりげないシンプルさ”が意味すること──開発陣が目指した「P702iD」への思い(2/3 ページ)

» 2006年09月11日 14時01分 公開
[太田百合子,ITmedia]

“ヒカリドロップス専用のLSI”を開発

 ユーザーへのリサーチ結果からもう1つ判明したのが、「ヒカリドロップス」のカスタマイズに対する強い要望だった。

 端末を閉じたとき、そして着信時などに本体前面が円状に光る「ヒカリドロップス」は、P701iDの持つ大きな特徴の1つだが、光り方の色やパターンを好きなように選ぶことはできなかった。P702iDでは、これを大きく改良した。着信時の光り方を12色/8パターンから選択できるようにしたほか、サイドボタンを押すだけであらかじめ設定した10種類の光のパターンを自在に楽しめるようになった。

 加えて、着うたフルなどの音楽再生と連動して光る「ミュージックイルミネーション」、月日や時刻に合わせて変化し、音と光り方で現在の時刻がわかる「時報イルミネーション」などの機能も新たに追加した。「ヒカリドロップスを、もっと多くのシーンで楽しんでもらえるようにしたい」(富澤氏)という開発陣の思いが形になった。

 「光のなめらかさも、前モデルに比べて格段に進化しています。P701iDでは64階調だった明るさが128階調と倍になり、RGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)の3色をフレキシブルに制御することで、表現の幅がぐっと広がった。ちなみに、“ヒカリドロップス専用のLSI”を開発するなど、この光り方の中には、じつはすごい技術が詰まっているんです」(富澤氏)

クリックでムービー再生クリックでムービー再生クリックでムービー再生 サイドボタンに設定できる10パターンの光り方の中には、線香花火やキャンドルなど、進化した「ヒカリドロップス」を体感できる、微細な光の表現が含まれている。映像はキャンドルのもの。炎のゆらぎが見事に表現されている。ちなみに時報もヒカリドロップスの強弱表現で表示する。“5”を表す強く長めの表現、“1”を表す弱く短めの表現を組み合わせる仕組みだ。例えば7時の場合は、“ポーン”“ポッ”“ポッ”という感じの光りで表示される

“あのとき”の会話を思い出すきっかけに──「Feel*Talk」

 「シンプルだけど楽しいケータイに」という開発陣の思いは、ヒカリドロップスだけでなく新たに追加された機能にも反映されている。P702iDは、ドコモの70xシリーズでは初となる着うたフル対応機種となったほか、会話の内容をアニメーションで表現する「Feel*Talk」いうユニークな新機能も追加された。

 Feel*Talkは、通話時に自分が発した声のトーンなどから会話の印象を判別し、通話終了時にアニメーションでそのイメージを表現するというもの。楽しい会話、暗い会話など、45種類のパターンからそのときどきに合ったものが自動的に表示される。ちなみに端末を閉じると「ヒカリドロップス」でも、アニメーションに合わせたパターンが発光する仕掛けも備わっている。

 このアニメーションは発着信履歴にも残り、後からでもそれを表示できる。「アニメーションを見ることでどんな会話だったのか、思い出すきっかけになればいいですよね」と、安藤氏。メールのように、通話の内容もビジュアルで思い出せるようにしたいという発想から生まれた機能だ。

photophotophoto 自分の会話内容を判別し、アニメーションで表現する「Feel*Talk」。後に、履歴からどのような通話内容だったかも思い出せる

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