アキバヨドバシ、MNP開始で3キャリアの売れ線ケータイは……

» 2006年10月24日 11時53分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 10月24日、東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaでは、番号ポータビリティ(MNP)のスタート記念イベントが行われた。

MNPに対する3キャリアの抱負は?

 午前9時、同店の開店直前にドコモ、au、ソフトバンク3キャリアの代表が集合し、MNPを迎えての抱負を語った。会場は秋葉原駅に直結するスペースで、朝の通勤タイムに当たる時間でもあったため、秋葉原駅から吐き出されてくる乗客で大変な混雑。通行者は手にした携帯やデジカメで、挨拶するソフトバンク孫社長や3キャリアのキャンペーンガール、auの“等身大もこみち人形”(キャラクターの速見もこみちさんの等身大蝋人形、10月23日の記事参照)をしきりに撮影していた。

 最初に登場したのは、前日の夜に「予想外割」(10月23日の記事参照)を発表したばかりのソフトバンク社長、孫正義氏。「いくところまでいく。いくらでも安くする。新しい端末も機能もどんどん出します。コンテンツももっと豊富になる。今日から始まるMNPは、ユーザーさんにとっては絶好のチャンス。私たちの新しい端末や新しいサービスを楽しんでほしい」と挨拶した。

 続いて登場したのは、NTTドコモ副社長の平田正之氏。「今日からMNPが始まる。事業者としては、このサービスが円滑に始まり、定着するように努力するのが責務。我々の責任は重い」と話した。903iシリーズ(10月13日の記事参照)の第一弾として、今日から「SH903i」が発売されることを挙げ「すでに携帯ユーザーのうち、半分はドコモのお客様。残り半分のお客様も、きっとドコモのお客様になってくれるだろうと期待している」とスピーチを行った。

 最後にマイクを持ったのは、KDDIコンシューマ事業統括本部au事業本部長の川井徹氏。「auはMNPに向けて、ここ数年努力を続けてきた。それがついに今日から始まる。いち早く第3世代ネットワークを普及させ、根付かせたという点でも、お客様の満足度でも、auは一番。これからも“お客様に選ばれ続けるau”であり続ける」と話した。

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 なお同店の第2エントランスでは、ドコモとauがそれぞれ期間限定のオープニングセレモニーイベントを行う。ドコモは10月24〜29日の期間中、ムスメダケのぬいぐるみが登場。自由に撮影できる。また、24日15時からはAKB48が店頭ライブを行う予定だ。auからは24日、25日の2日間、もこみちくん人形が登場し、自由に撮影できる。

3キャリア、各売り場の現場の声は?

 各キャリアが行っている予約キャンペーン(移行に必要な金額相当のポイントを還元する)とは別に、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba店としては、MNPで携帯を購入した先着40名に、ヨドバシクーポン券を1000円分プレゼントするキャンペーンを行っている。

 また同店の店内には3キャリアのサービスコーナーを併設しており、機種・キャリア変更に伴うデータの移行、メールアドレス変更の通知サービスについて案内を行っている。さらにMNP関連情報をまとめたフリーペーパーを配布しているほか、随時販売員が相談に乗るなどして、MNPに対するユーザーの理解を深めるよう努めている。

 23日開店直後の時点で、同店へMNPの予約をしたユーザーは数百名いるという。各キャリアの売り場担当者に、現場の声を聞いてみた。

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・NTTドコモ

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 ドコモ売り場では、MNPをアピールするだけではなく、903iシリーズを中心とする新機種キャンペーンを行っている。MNPでドコモ携帯を購入するとドコモダケのストラップがもらえるほか、簡単なゲームを行って、当たればドコモダケの家族7体セットがもらえる、というキャンペーンだ。

 売り場で聞いてみたところ、ドコモへ移行を希望するユーザーは機種が不満なケースが多く“auやソフトバンクの端末は若者向け”という理由で、「もっと大人っぽい端末が欲しい」「簡単、シンプルで余計な機能が付いていない端末がいい」と希望されるケースが多いという。

 機種を指名買いする人は少なく、ほとんどのユーザーは店頭で端末を見て、販売員の説明を聞いて選んでいく。一番人気はシャープ端末で、「かんたんメニュー」で大きな文字を表示できるところが受けている。「DOLCEを筆頭に、シニアに人気がある。簡単な機能がいいとはいっても、らくらくホンでは抵抗がある。かんたんメニューは非常にウケる」(販売員)

 また、パナソニックモバイルの端末も人気が高い。「すごい機能が付いていない点が逆に受けているようだ。持ってみると軽く、またワンプッシュオープンに惹かれるお客様が多い」

 関東エリアのヨドバシカメラ共通の販促キャンペーンとしては、902iシリーズに力を入れている。取材時には3650円の特価で販売されていた。

 他キャリアからドコモへの移行、またドコモ端末同士の移行の際に利用できる端末「DOCOPY(ドコピー)」が店頭に1台、店舗の奥に2台設置され、各種データの移行や、メールアドレス変更の通知メールを一斉送信できるようになっている。

・au

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 MNPの仮予約が目下最も多いのがau。他キャリアからauへ移行する予約が200件以上入っているという。

 ユーザーからMNPについて質問されることは非常に多いという。「同じメールアドレスを取れるか?値段はどうか?手続きはどのようなものになるのか?など、いろいろ聞かれます。いろいろ聞かれますが、目立って多い質問というのは特にないです」(販売員)

 一番売れている端末は、「W43H」と「W43S」。次いで「W43CA」、「W45T」。ヨドバシカメラとして力を入れているのはW45Tだという。「通常価格1万5540円のところを特価で販売しています。価格はお店で聞いてみてください」(販売員)

・ソフトバンク

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 23日の夜に突然新料金施策が発表されたという事情から、他キャリアの売り場とは少々事情が異なるソフトバンクの携帯売り場。新料金施策が始まるのが26日からなので、24、25日は従来の料金体系で案内しつつ「26日からは新しい料金体系に変わる」とアナウンスすることになる。「なにしろ昨日の発表が急だったので……まだ26日以降の資料がこちらに来ていない状況です」(販売員)

 全体で数百件あるMNP仮申し込みのうち、ソフトバンクへ移行したいという予約申込は現在約50件程度だという。「今のところはauへの移行予約が多いですが、昨日の発表でどうなるか。これから増えるのではないかと思います」(販売員)

 人気の機種は、AQUOSケータイや、iPod nanoとのセット販売がされている「705P」「705SH」。「AQUOS、薄型、シャープブランドは人気がある。あとはサムスンの705SCも伸びてきている」とのこと。また、台湾HTCの「X01HT」は、ウィルコムの「W-ZERO」ユーザーが通信速度の速さを理由に乗り換えて購入するケースが多いという。

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