NECケータイの未来は女子大生が救う?

» 2006年11月22日 02時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo 「glitter☆」グループミーティングの様子

 ユーザーが求めるのはどんなケータイか――ユーザーニーズが細分化し、端末が高機能化する携帯市場で、携帯電話メーカーの試行錯誤が続いている。かつて携帯電話メーカーのトップにあったNECは、ユーザーの声をより広く深く拾い上げるべく新たなモニター制度を発足させ、端末開発に役立てている。

 このモニター制度は「glitter☆」と呼ばれ、同社モバイルターミナル事業本部 商品企画部が中心となって運営している。大きな特徴はトレンドリーダーと長期間契約することで、これまで把握できなかったユーザーのライフスタイルやニーズを捉えようとしている点だ。

 同社ではこれまでも、ユーザーアンケートや会場調査、グループインタビューなどの結果を端末開発にフィードバックしてきたが、「グループインタビューで得られる調査結果の精度は悪く、はっきり言って役に立たない」と担当者が話すように、多様化するユーザー層とそのニーズを把握するまでには至っていなかった。

photo グループミーティングの様子をスタッフが見守る。参加者同士のミーティングの後、スタッフも混じってのブレインストーミングに入った

 一般的なマーケティング手法では、さまざまな属性から対象を集め、単発あるいは短期間で調査を行うものがほとんどだ。こうした方向性に行き詰まりを感じていた同社は、調査対象を特定のユーザー層に絞り込み、さらに長期間の調査を実施する継続モニタリングへと方向転換を図った。

 glitter☆のモニターは、携帯を使いこなすだけでなく、コミュニティ内で新たなニーズを生み出す“トレンドリーダー”が選ばれる。2005年に実施した第1回モニター制度では、高校生・大学生・社会人の女性3チーム34名で構成し、半年間の活動を行った。現在は、大学生による女性2チーム・男性1チームの3チーム30名が、9カ月の期間で活動中だ。第2回の参加者は、リクルーターが集めた候補の中から書類選考や面接など、2カ月5段階におよぶ審査を経た面々だ。

 モニターには、単に携帯電話やサービスに詳しいだけでなく、さまざまなトレンドに通じ、それを他人に伝えることができる表現力、活動を続けられる高い意識も求められる。現在のメンバーは全員が大学生ということもあり、インターンシップに近い感覚で参加するなど非常に意識が高いという。

 主な活動には、定例で行われるグループミーティングのほか、ミーティングで決まるホームワーク(宿題)、ブログなどglitter☆が用意するコミュニティでのアンケートなどがある。こうした活動から携帯に対する濃度の高いコミュニティを形成し、自分たちが必要と感じている携帯電話を企画して、最終的にNECへ逆プレゼンテーションを行うのが目標だ。

photophoto 熱心にコンセプトシートへアイデアを書き込む参加者

 取材当日は、年内最後のグループミーティングが開催されており、女性10人のグループが出席していた。「カメラ機能と同じようなインパクトを持つ『まったく新しいケータイ』を企画」というテーマのもと、前回のミーティングで出された“アイデア出し”のホームワークをまとめ、コンセプトを固める作業が進められた。

 前回のミーティングでは、「アミューズメント」「パートナー」「サポーター」という仮コンセプトが決定。それぞれ考えられるキーワードをホームワークで創出した。ハードウェア形状では“防水仕様”や“果物型”“ペット型”“屏風蝶番を利用”“タッチパネル方式”など、デザイン面では“柔軟性がある”“エナメル仕上げ”“ルイビトンブランド”、機能面では“カロリー表示”“香りが出る”“体温測定や体脂肪計測”と、自由に出されたアイディアを数人の班に分かれてまとめたほか、NECのスタッフが混じってのブレインストーミングが行われた。

 第1回モニター制度の成果は、「N902iS」におけるプリセット顔文字の増加や文字変換精度・効率の向上、手ブレ補正機能の搭載、「N903i」におけるデコメ作成機能(デコメを作ろう)の搭載などが実績としてあげられている(11月17日の記事参照)。近い将来、現在のモニター活動から生まれた新機能や新しいニーズが、NEC製の端末で実現するのは間違いなさそうだ。

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