ケータイだからできた──「MONOTONE」に見るスクエニの新しい試み「MONOTONE」プロデューサーに聞く(2/2 ページ)

» 2006年11月29日 15時28分 公開
[遠藤学,ITmedia]
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バトルに親しみやすいパズルを採用

 MONOTONEのバトルにはパズルゲームを採用する。「バトルをどう面白くするかを考えた時、パズルなら親しみやすくて面白いんじゃないかと思った。RPGなので、バトルがつまらなければゲームもつまらない。パズルを使うことで、バトルは面白いものにできたと思う」(伊藤氏)

photo コマンドの「まほう」を選ぶと、武器に応じたパズルが始まる。画面は弓の「ルーレット」

 パズルは現在のところ「数字合わせ」「落ちモノ」「ルーレット」の3つを用意している。失敗するとダメージを負うというペナルティもあるが、それほどシビアなものではない。また、常にパズルでバトルをしなければいけないわけではなく、「たたく」のコマンドを選べば普通に攻撃することも可能だ。

 エピソード制となるMONOTONEでは、ひとつのエピソードをクリアするごとに希望の星というアイテムが手に入る。ユーザーは各エピソードに対して「☆(1つ)〜☆☆☆☆☆(5つ)」の評価が行え、手に入れた希望の星を割り当てることができる。

 各エピソードにどれだけの希望の星が入ったかは毎週発表され、1位になったエピソードを選んだ人には、割り当てた希望の星に応じたモノポイント(通貨のようなもの)が支給される。


photo モノポイントは装備品からレベル、待受画像など、さまざまなものと交換できる

 モノポイントは装備品との交換だけでなく、待受画像や着メロと交換することもできる。待受画像や着メロは別サイト、主にメーカーサイトで配信することも多いが、MONOTONEは「分かりやすくシンプルに、全部モノポイントでやってしまおうと考えていた」(伊藤氏)ことから、ゲーム内に組み込んであるという。

 また、ゲーム中には「風船おじさん」というキャラクターがおり、かなり難しい落ちモノパズルを出してくる。これにはスコアランキングがあるので、純粋にパズルを楽しみたいという人には打ってつけだ。

 パズルRPGという土台に、シナリオやキャラクターデザインの募集/投票、待受画像や着メロの交換など、さまざまな要素を詰め込んだMONOTONE。このゲームをひと言で表すと「既存RPGの枠から地滑りしているというか、いい意味でゲームになっていない」と伊藤氏は話す。

 勇者となって普通のRPGとして楽しむこともできれば、シナリオライターやデザイナーとしてゲームに参加することもできる。“シナリオライター、デザイナー、兼、勇者。”のキャッチコピーに偽りなしと言えるだろう。

これだけ遊べて“月額210円”

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 MONOTONEの月額利用料は210円。315円や525円というアプリが浸透している中、大作系のアプリで210円は安い価格設定だ。そこには敷居を下げて、間口を広くしたいという思いがあると伊藤氏は話す。

 「本当は525円でいきたい自信作。だが、MONOTONEはたくさんの人に遊んでもらいたいと思い作った。誤解してほしくないのは、安いからといって内容が薄いわけではないということ。間口を広くしようと頑張った価格で、210円なら人にも勧めやすい。投稿や投票もユーザーが多いほうが楽しいし、210円なら主婦でも抵抗なく遊んでくれると思う」(伊藤氏)

 いきなりの主婦という言葉に驚くが、伊藤氏は至極まじめに主婦を狙っているという。「ターゲットは広く。これには主婦も含まれる。月額利用料315円というのは、携帯でゲームを遊んでいる人の感覚で、主婦は高いと思うはず。でも、210円なら遊んでくれるかもしれない。ニンテンドーDSで遊ぶOLが携帯でゲームをやるかと言えば、ほとんどの人は遊ばない。でもゲームは遊んでいる。その層に知ってもらった時、月額210円がきいてくると思う」(伊藤氏)

 アプリ人口を増やすため、MONOTONEは戦略的な価格で挑む。

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