ワイヤレス再生における自由度の高さでは、動画の音声も出力できるP902iSに軍配が上がる。しかしワイヤレス音楽再生機能のみに絞ると、W44Tのほうが使いやすい。
では音楽視聴時の“サクサク感”はどうか。
W44Tは曲間移動におけるレスポンスが悪く、人によっては致命的というほど気になる。これは本体のau Music Playerが連続ボタン操作を受け付けないためであり、本体での操作だろうがBluetoothレシーバーでの操作だろうが、一定の間隔を空けて操作しないと“2曲前/3曲先”といったスムーズな曲間移動が行えない。
対してP902iSは連続操作を受け付ける。その点でレスポンスはよい。3曲先に移動したければ「次の曲へ」のボタンをポンポンポンと3回連続で押せばいい。
W44Tはレシーバーだけで音楽操作が一通りできる優れた仕様であるがゆえに、この点が非常に残念だ。ちなみにW44Tは、著作権保護機能である「SCMS-T」に対応するBluetoothオーディオ機器でないとワイヤレスでの音楽再生が行えない点にも注意したい。
SCMS-Tに対応したBluetooth機器はまだ少ない。筆者の知る限り入手が容易なものとして東芝製Bluetoothマウス「IPCZ088A」などがあるが、これもW44Tとの接続性が保証されているわけではないため付属レシーバーでの利用が前提になる。
対してP902iSはレシーバーは別売りとなるが、Music Editionとしてセット販売も行なわれる純正レシーバー「DoCoMo Wireless P01」が単品でも用意され、かつ、SCMS-Tの対応が必須でないためにサードパーティからも対応製品が複数発売されている。おおむねP902i対応と謳う製品のほとんどはP902iSでも問題なく利用できるようだ(ただし相性問題がゼロではなく、音楽再生の終了と同時にBluetoothのリンクが切れてしまう製品もあるという。やはりWireless P01と組み合わせるのが無難なのかもしれない)。
P902iSは、ハンズフリーとオーディオ再生、双方の機能を持つBluetoothレシーバーであれば、音楽再生中に着信があった場合に自動でプロファイルを切り替えてハンズフリーでの音声通話を開始し、音声通話が完了すると音楽再生が再開するというスマートな使い方もできる。
NTTドコモ「P902iS」 |
KDDI「W44T」 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.