うーむ。カッコいい。この質感やかっこよさはなんだろうねえ。
ノキア製の「705NK」は、日本のメーカー(とキャリア)とは発想からして違うのではないかと思う。ひとつひとつは奇抜でも何でもないのだが、操作系やデザインがかなり統一された日本のケータイ市場に慣れた目で触ると、何かと新鮮なのである。
カメラ機能もそう。一応、ウリは「カールツァイス」ブランドのレンズなのだが、そういう宣伝文句は抜きにしても、なかなか新鮮で使いやすい。要注目端末である。
まずは裏面を見よう。レンズカバーをスライドさせるとカメラが起動する。
ちなみに、これを閉じたままメニューからカメラを起動すると、しれっと自分撮り&テレビ電話用のサブカメラで起動するようになっている。国内の端末だと「レンズカバーを開けてください」というような警告が出るところだが、そんなことはないのだ。それに気が付かず、メニューからカメラを起動したらいきなり自分の顔が写ってびっくりした。
ともあれ、レンズカバーをシュタッと気持ちよく開けると(感触も気持ちいいのである)、さっとカメラになる。素直である。起動は約2秒となかなか速い。
そして普通のデジカメのように横向きに構えて撮る。
こちらも国内のケータイのように待受画面以下では縦位置で、VGAサイズ以上では横位置で、ということはない。撮影画像サイズは「VGA以上」であり、必ず横位置でカメラ風に構えて撮るのだ。まったく潔い。いわゆる「写メ」感覚のケータイにカメラ機能が付いたというより、“ケータイとデジカメが合体しました”という作りなのだ。
よって、シャッターは側面にあるシャッターボタンのみ。ダイヤルキー部の[決定]キーはシャッターではない(機能の決定に使う)のだ。なお、このシャッターは半押しでフォーカスロックが可能。メカニカルシャッターを搭載した本格的なシャッターだ。
画像サイズは4種類。VGA(640×480ピクセル)と0.8M(XGA:1024×768ピクセル)と2Mと3M。レスポンスは、3Mサイズ時でシャッターを切ってから撮影確認画面まで約5秒。この段階ですぐ次の撮影に移れる。
画面の右には常にメニュー(アクティブツールバー)を用意する。メニューは2ページ分あり、中央のスティックで項目を選び、センターキーで項目選択画面に移る。この項目にはシーンモードやフラッシュのオン/オフ、セルフタイマーや連写などが用意されている。
フラッシュはLEDだが、ケータイの内蔵ライトとしては強く明るい。暗いときのAF補助光としても働く。
連写はフルサイズで約7枚。約2秒弱に1コマというスピードだが、フルサイズで連続して撮れるのが実にデジカメっぽい。
さらに露出補正やホワイトバランス、色合い、ISO感度を設定できる。色合いは標準のほかに「鮮明」も選べる。鮮やかに撮りたいときはこちらで撮るとよい。
ISO感度は数値でなく低/中/高(調べると、それぞれISO100、200、400相当のようだ)で設定を行うが、ケータイのカメラでISO感度を明示的に指定できるのは珍しい(500万画素+光学3倍ズームの「910SH」くらい)。この辺もデジカメらしいところだと思う。
なお、撮影すると画像の確認画面になるわけだが、これがなかなか秀逸である。
この段階でプリント予約や印刷が可能なほか、送信も行える。Eメールによる送信に加えて、Bluetoothや赤外線でも送信できる。Bluetoothですぐ送信できるのは(対応PCが必要だが)高速でなかなか便利。ちなみにプリント予約や印刷はUSBやBluetooth対応のPictBridge対応のプリンタで使用することもできる。これらは、今後の携帯カメラにとっても要注目の機能だ。
シャッターキーの横にある[レビュー]キーを押すと再生モードになり、写真再生が行える。レビュー画面も凝っており、通常のフルスクリーンのレビューもできれば、写真のように前後の写真を表示してぐるぐる回しながら閲覧することもできる。これはかなり気持ちいい仕掛けだ。
スライドショー機能も、ズームやパンを自動的に行いながらめくられていく、イマドキのスタイルである。
それにしても、ちょっと触るだけでこのカメラ機能はすごいっ、といいたくなるようなデキだ。
ただし、ここまでデジカメっぽく作りながら、miniSDカードに記録するときの形式がDCFではない(デジカメ用の画像記録のルールでフォルダ名やファイル名の付け方が定められており、すべてのデジカメはもちろん、ほとんどのカメラ付きケータイもこれに準じている)のは謎ではあるのだが。
では気になる作例を見ていこう
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