Windows Mobile搭載機として一歩抜きん出た存在――「EM・ONE」「EM・ONE」レビュー 第2回(2/4 ページ)

» 2007年04月10日 20時58分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

充実した振り分け機能が魅力の「SHメール」

 WebブラウザとともにEM・ONEの大きな魅力となるのが、PCメールの送受信だろう。EM・ONEにはWindows Mobile標準の「メール」(Outlook互換)のほか、シャープ独自のメールソフト「SHメール」を搭載する。メールの使用感は、サーバ上のメールを見るビューワのような感覚だが、SHメールはPCのメールソフトのように使うことができる。

photophoto “SHメール”を横表示させたときのメール一覧画面とメール本文表示。見た目はPC用メールソフトに近い

photophoto 縦表示のメール一覧画面とメール本文表示。実用性はこちらのほうが高そうだ。一覧表示もそうだが、画面レイアウトやフォントはワイドVGA画面には最適化しておらず、QVGA表示を拡大しているようだ

 SHメールは、LinuxザウルスやW-ZERO3[es]に搭載されたシャープ製メールソフトに近い。複数アカウントとフォルダ、そして自動振り分けをサポートし、フォルダツリーとメールの一覧を1画面に表示する。PC向けのメーラーを基準にすると特筆すべき機能はないが、メール送信時の認証は「POP before SMTP」に加えてポート番号も変更可能で、「Outbound Port 25 Blocking」(OP25B)にも対応する。携帯電話のメール機能と比較すると振り分けが柔軟に行える点が特徴と言えるだろう。

 現時点では、イー・モバイルがメールアカウントの提供を行っておらずメールを自動受信するような機能はない。しかし、定期的にメールを受信するスケジュール機能は備えている。定額の通信料金を生かして短い間隔で受信するように設定すれば、プッシュメールに近い感覚でメールを利用できるだろう

photophoto アカウントごとに送受信ポート番号も変更可能。受信時のAPOP、送信時の認証もサポートする。モバイル利用では事実上、送信時の認証は必須になっており、重要な機能だ。受信時にはメールの先頭部分だけを受信することも可能だが、高速・定額でネット接続が可能なEM・ONEには、さほど必要な機能ではないかもしれない

photophoto メールは定期的に受信することも可能。受信間隔は分単位で指定する。どのアカウントで定期受信するかも設定可能だ。手動での一括受信もアカウントを指定する機能を用意する

photophoto 自動振り分けはかなり高機能だ。ヘッダの「X-ML-Name」抽出もでき、メーリングリストの振り分けも確実に行える。キーワードも部分マッチングで振り分けられ、ドメインごとに効率よく振り分けられるだろう

 このSHメールの難点を挙げるとすれば、やはりワイドVGAディスプレイを生かしきれていない点と、IMAP4をサポートしないことだろうか。IMAP4については、Outlook互換のメールがサポートしており、EM・ONE自体では利用できる。しかし、“POP3/SMTPの個人用アカウントは使い勝手の良いSHメール”、“会社のメールアカウントはIMAPだからメール”という使い分けが発生するとなると、ちょっと面倒かもしれない。

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