5分で分かる、今週のモバイル事情5月12日〜5月18日

» 2007年05月18日 23時12分 公開
[遠藤学,ITmedia]

総務省、2.5GHz帯の免許割り当て方針を発表

 総務省は、2.5GHz帯の免許割り当てに関する方針案を発表した(5月15日の記事参照)。

 割り当て可能な2.5GHz帯の周波数は、隣接する移動衛星業務(N-STAR)や放送衛星(モバHO!)システムとのガードバンドを除く2545MHzから2625MHzの80MHzで、このうち2545MHzから2575MHz、2595MHzから2625MHzの2つを全国展開の移動通信に割り当てる。

 総務省ではこの帯域を2社に割り当てる予定で、申請が2社を超えた場合は比較審査のうえ、基準への適応度が高い2社を認定するとしている。2.5GHz帯については、NTTドコモやウィルコム、ソフトバンクモバイル、アッカ・ネットワークスなどの通信事業者が参入を希望しているが、方針案では「3G移動通信事業者や、3G移動通信事業者が3分の1以上の議決権を保有するグループ会社以外のものに割り当てる」となっており、ウィルコムとアッカがこの条件にあてはまる。

 ただし、“3G移動通信事業者の出資比率が3分の1以下のグループ会社なら申請できる”となっていることから、既存の3Gキャリアにも関与の余地は残されている。なおアッカはすでに、この帯域の獲得を目指すと表明した。

イー・アクセス、2007年3月期決算説明会を開催

 イー・アクセスが2007年3月期決算を発表(5月15日の記事参照)。連結売上高は前年同期比6.8%減の562億5000万円で、連結営業利益は前年同期比88%減の10億4900万円。連結経常利益は15億6400万円の赤字で、当期純利益は81.9%減の9億900万円となった。

 3月31日に開業した連結対象子会社のイー・モバイルは、初期投資段階ということもあり、単体で114億7000万円の営業損失を計上した。イー・モバイルの契約数は、開業時の予約状況で約1万7000件だったが、4月末の段階では約3万件になるという。

 登壇したイー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は、イー・モバイル開業について、「開業日の朝に量販店に出向いたら、前の晩から並んでいたという人たちが行列を成していた。『EM・ONE』へ大きな期待を抱く方々へ、直接製品を手渡したことを昨日のことのように覚えている」と振り返り、「開業数カ月前までは基地局設置のペースが遅れており、経営陣も週末を返上して奔走し、最後の5週間で遅れを取り戻した。正直、開業の2週間前からよく眠れなかった」と話した。

 2008年3月期の事業プランとして、従来のASDL事業/ISP事業/伝送事業/WiMAX事業からなるネットワーク事業に加え、新たにデバイス事業本部を新設することを発表。デバイス事業本部は、モバイル・固定・WiMAX共通のデバイスとアプリケーションプラットフォームを開発する部門で、単独で利益が出る事業を目指すという。また、開発したデバイスは同社だけでなく、他社への販売も行うなど、事業領域を拡大する予定とした。

2008年にSuica、ICOCA、TOICAの相互利用が可能に

 JR東日本、JR東海、JR西日本は、3社のIC乗車券「Suica」「TOICA」「ICOCA」の連携・相互利用が可能になるなどの新サービスを2008年春に提供する(5月16日の記事参照)。

 JR東日本のSuicaとJR西日本のICOCAはすでに相互利用が行われているが(2004年4月の記事参照)、これに加えてJR東海発行のTOICAも相互利用が可能になる(2006年7月の記事参照)。これはカードタイプに限った話ではなく、おサイフケータイで利用できるモバイルSuicaも同様に、TOICA・ICOCAエリアで利用可能だ。ただし、あくまでも“相互利用”であり、エリアをまたがっての利用はできない。

 東海道・山陽新幹線(以下東海道新幹線)に安く乗れるようになる会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」の利用者向けには、新たに「エクスプレス予約ICサービス」を提供。東海道新幹線のIC乗車券として利用できるエクスプレスICカードを発行し、Suica/ICOCA/TOICAで乗車した在来線から東海道新幹線へ乗り換える場合に、Suica/ICOCA/TOICAとエクスプレスICカードを2枚重ねて乗り換え改札機にタッチすることで、スムーズに新幹線へ乗り換えできるようにする。

 このほか、モバイルSuicaでJR東日本の新幹線(東北・秋田・山形・上越・長野新幹線)がチケットレスで利用できるようになる「モバイルSuica特急券」サービスも開始。モバイルSuicaのアプリに「モバイルSuica特急券」というメニューを追加し、モバイルSuica 1台で在来線とJR東日本管轄の新幹線の乗り換えをシームレスに行うことが可能になる。

携帯向け音楽データの違法配信で初の逮捕者

 日本レコード協会(RIAJ)は、携帯向けのレンタル掲示板サービスを利用し、権利者に無断で音楽ファイルを配信していた山口県岩国市在住の男(25)を、山口県警察本部生活安全部および岩国警察署が著作権法における著作隣接権侵害の容疑で逮捕したことを明らかにした(5月14日の記事参照)。

 2006年5月から、携帯向けに音楽データを無料でダウンロードできるレンタル掲示板を開設・運営し、自らも権利者に無断で、Every Little Thingや倖田來未などエイベックス・エンタテインメント所属アーティストの音楽データをアップロードし、不特定多数がダウンロードできる状態にしていたもので、着うたなど携帯向けの違法音楽配信による逮捕は今回が初めてとなる。

 携帯向けの音楽配信市場は約538億円(2006年度)規模に成長している一方、違法行為も急増する傾向がみられる。同協会は、権利者に無断で携帯向けとしてアップロードされた音楽データは、年間2億8700万ファイルに上ると推定している。

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