ソフトバンクモバイルのCF型HSDPA対応データ通信カード「C01SI」の実力(3/3 ページ)

» 2007年07月25日 09時49分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 次にHSDPAエリアのチェックも兼ねて、目安となる国道16号を基準に5カ所で計測を行った。16号というと南側では横浜辺りという印象が強いが、実は末端は三浦半島の横須賀市に至る。移動の効率を考えて計測は25時以降の深夜から早朝にかけて行っている。

 計測はD01NXと合わせて計5カ所で行った。まず国道16号の内側、正確に言えば国道16号ぞいにある横須賀市三春町のファストフード店では、受信平均2.49MbpsとしっかりHSDPAエリア内だった。ちなみにここではイー・モバイルのD01NXも利用できた。

 16号線の外側では横浜横須賀道路の横須賀PA、三浦半島の西側にある三浦郡葉山町堀内の飲食店内、海水浴場で有名な鎌倉市七里ガ浜(バス停前)では、結果を見る限りW-CDMAでの接続になっているようで、神奈川南部エリアでのHSDPA対応はおおむね16号線の内側までとなっているようだ。またC01SIがW-CDMAでの接続になった3カ所のうち2カ所では、D01NXは圏外となった。

 ただ16号線の外側であっても、横浜市保土ケ谷区権田坂辺りではスループット的にもまったく問題なくHSDPA接続ができた。イー・モバイルも、エリアマップで確認する限りぎりぎりエリア内のように見える場所だが、ちょうど左右を小高い山に囲まれた場所だったせいか、こちらは圏外となって接続できなかった。

Graph 国道16号近辺(神奈川エリア)でのテスト結果

 最後は地下街だ。音声端末が利用できることは分かっていたので、後はHSDPA化されているかどうかが気がかりだった新宿サブナード、川崎アゼリアで接続を試みた。結果はスループット的にもまったく問題なく、いずれの場所でもHSDPA接続で利用できた。イー・モバイルが利用できた八重洲地下街も、小型基地局が設置されているためか、スループットではD01NXを大きく上回った。しかし地上からの漏れ電波を拾ったと思われる、有楽町の国際ビル地下1階では、接続は可能だったものの、スループットはD01NXを大きく下回った。この点に関して言えばイー・モバイルが使う1.7GHz帯の電波が優位に働いた、ということになりそうだ。

Graph 地下街でのテスト結果

 これらのテスト結果を総合すると、まずイー・モバイルとの比較では利用可能エリアが広く、検証を行った地下街はもちろん、地下鉄駅構内でもほぼ問題なく利用できるなどエリア的な安心感がある点が大きなメリットといえる。通信速度は下りが最高で2.78Mbpsを記録し、HSDPA接続であれば多くの場所で2Mbpsを越えた。911Tとの比較でも通信速度では上回ることも多く、CFカードタイプだから通信速度が遅い、という問題はなさそうだ。

 気になったのは、主に都心部において上りの送信速度が30〜40Kbps程度に留まる場合が多かったことだ。最初は時間帯によってトラフィックがコントロールされているのかと思ったのだが(HSDPAでは基地局側から送信速度の制御が可能)、あまり時間帯は関係ないようだ。都心部では反射波が多いと思われるので、これが原因の可能性もある。大田区での計測では、下りが(安定して)1.4Mbps程度で、基地局からはある程度離れている場所であっても、送信が340Kbps前後という結果も出ているので、C01SI自体の基本的な送信能力に問題があるとはちょっと考えにくいが、都心部では送信速度が低速になる傾向がある、とだけは言えそうだ。

他社のデータ通信カードとの消費電力の違い

 C01SIは、通信速度が高速なだけに消費電力も気になるところだろう。消費電力はD01NEやD01NXをレビューしたときと同じ条件で計測してみた。再度簡単に説明しておくと、接続時は計測開始から30秒程でFTPサーバからの受信を開始し、データ送受信が発生している場合とそうでない場合の比較を行っている。

 結果はグラフを参考にしてほしいが、データ送受信が継続して発生している場合の消費電力が高めな点は少し気になるところ。ただ、単にインターネットに接続しているだけならば、内蔵無線LANとそう変わらない消費電力なので、例えば無線LANのホットスポットを利用している場合と比較して極端にノートPCのバッテリー駆動時間が短くなる、といったことはなさそうだ。

Graph 他社のデータ通信カードおよび内蔵無線LANとの消費電力の違い

リーズナブルで料金プランも魅力、場所を問わない高速インターネット利用向き

 C01SIは料金プランも魅力的だ。残念ながら完全定額は実現していないものの、3つの専用料金プランが準備されており、もっとも無料データ通信量の大きい「データバリューパックスーパー」では2年契約時(契約解除料は1万500円)なら8347円/月で4万4100円分の無料通信が可能だ。データ通信量としては約472.2Mバイト分なので、毎日利用したとして1日あたり15Mバイト程度、平日週5日の利用なら1日あたり20Mバイト程度のデータ通信をまかなえる。実際ノートPCで日々バリバリWebページを閲覧する、といった利用だと無料通信では賄えないと思うが、公衆無線LANサービスと併用すれば結構な使いでがありそうだ。

 全国エリアで使えるという点でライバルとなるドコモの場合、もっとも無料通信分が多い「データプランLLパケットプラス」でも1万4595円/月(ファミリー割引適用時1万941円/月)で3万1500円/約305Mバイト分の無料通信付きでパケット単価は同じ0.0126円/パケットだから、データバリューパックスーパーがかなりお得であることは明白だ。他の料金プランに関しても総じてソフトバンク3Gの方がお得だ。auの場合、音声端末と併用するなら「WINシングルセット割」でデータカード向けの料金プランではもっとも無料通信の多い「WINシングルLL」が8190円/月で利用できる。しかし無料通信は1万8000円/約183Mバイト分なので、圧倒的にデータプランLLパケットプラスの方がリーズナブルだ。

 もちろん現在はイー・モバイルと比較されることも多いだろう。定額制のイー・モバイルとは最初から土俵が違うとも言え、単に料金面でどちらがお得という比較はあまり意味がなさそうだ。現時点では利用可能エリアが大きく異なるので、この点が気になるようなら、バランス次第では本機に魅力を感じる人も多いはずだ。特にソフトバンク3Gの音声端末を利用している人ならどこで使えるか使えないかもさっと確認できるので、いざ使おうと思ったら圏外といったこともなくて安心できる。

 本機の魅力を総括すると、全国エリアで利用可能な点、CFカード型でPDAなどでも利用できる高い汎用性を持つ点、ドコモやauと比較するとかなりリーズナブルな料金プランが用意されているという点が挙げられるだろう。Windows用のユーティリティの出来もよい。とにかく広いエリアで高速パケット通信をしたい、という人には魅力的な製品が登場したと言えそうだ。

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